運命発生落下中(3)

「じゃあ、今日はここまでね。デッカード」
『リョウカイ』
「…ボク達を持ち上げたり、受け止めてくれないかなぁ」
「勇君?」
「だって、ずっとダンボール箱潰したらバレちゃいそうだし…」

(確かに)

──でも。

「じゃあ勇君」
「何?」
「今から自転車二人乗りしてスーパー寄って卵2パックと挽き肉300gにレタス、冷凍食品のミックスベジタブルにエビ買うから手伝ってくれる?あ、牛乳も買わなきゃ」
「え」
「はい、買う物は何でしょう?」
「えっ?!えっと…」

混乱する勇君。

「分かんない?」
「うん…」
「デッカードも、いっぺんにやること増えたら疲れちゃうかもしれないでしょ?」
「あ…!」
「まだまだ時間はあるし、また今度頼んだらいいでしょ?今日は終わり。あずきちゃん達が心配するから」
「そうだよね、分かったよボク!」
「うん、じゃあねデッカード。また明日」
「また明日っ!デッカード!」
『マタ、アシタ』

美空が勇太を持ち上げて先に登らせる。
美空は勇太が順調に登っていくのを確認し、一度通気口から離れた。

「…デッカード」
『ミソラ、ドウシタ』「私ね、秘密があるの」
『ヒミツ』
「ずるいと、ひどいやつだと思うかもしれないけど聞いて?」
『リョウカイ』

胸に手を当て言う。

「私は最低野郎だ。何も知らない貴方に懺悔しようとしている」
『ザンゲ』
「謝ろうとしているの。私は、未来を知っている…」

(きっと)

「貴方を、デッカードのことを…」

見殺しに。

『美空』
「!!」

今、一瞬…デッカードが

(心が芽生えた後みたいな声色に…?)

「美空お姉ちゃんまだ〜っ?」
「……今行くっ!」
『ミソラ…』
「ごめんデッカード…忘れてね。忘れて良いから」

そう言うと美空は勇太の所に向かった。

誰もいなくなった部屋で一人、デッカードは。
美空と勇太が出ていった通気口を見つめるのだった。