運命発生落下中(4)

「…デッカード、点検されてるね」
「うん…」

今日も今日とてデッカードに会いに来た二人だったが、あいにく今日は彼の検査が行われる日だったらしく。
美空と勇太が来てから1時間もせずに交流タイム終了となってしまった。
上に登る時間が無かった二人は、デッカードの点検作業を積み上げた荷物の陰から観察するのだった。

「いやぁ〜それにしても、警視庁に配属される刑事がロボットだなんて…」
「俺達…すごい仕事してるよな〜」

作業員が言った言葉に勇太は驚く。

「デッカード、警視庁の、警察官になるんだ…」
「すごいね…」
「うんっ」
「コラァ!お前ら!」

突然の怒鳴り声にさらに驚く二人。

(バレたか!)
(ひぇえっ怒られちゃうよー!)

「その配線ちょんぎったらどうすんだ!もっと"でりけぇと"に扱えっ!!」
「す、すみません!」

作業を取り仕切る人が高所で作業している作業員達に怒鳴っている。
どうやら手つきが危なっかしいらしく、見てられないようだ。すぐさま補助に別の作業員が向かっていった。

「私達じゃなかったね?」
「う、うん…びっくりした…」

バクバクする心臓の服の上から押さえる。
それから昼休憩まで息を潜めた勇太と美空は、部屋から自分達以外の人間がいなくなったのを確認してダンボール箱の陰から出た。

『ユウタ…ミソラ』
「すごいやデッカード!警察官になるんだね!」
「…きっと、格好良いだろうな〜」
「ね〜!」

目を瞑り思い浮かべるアニメでの勇姿。

『ワタシハ、デッカード…』
「うん。まだただのデッカードだね」
「まぁ警察官でも、そうじゃなくても、ボクはデッカードが好きだよ!」
「あ、先に言われた!…私も。大好きだよデッカード」
『ダイスキ…コノマシイ、コウイ』
「そう」
「デッカードが警察官になったら…きっとみんなから好かれる格好良い優しい警察官になるよっ!」
「うん。絶対なる」
『カッコイイ…ヤサシイ…リカイフノウ』
「好意の種類だよ。相手の好きな部分や尊敬、見習いたいなと思うものを言葉や表現にすると、こうなるの」
『リョウカイ』

ゆっくりと幼子に教えるように語る。
すると。

『ナラ…ユウタ、ミソラ…ヤサシイ』
「「…デッカードが会話したぁああ!!」」
『カイワ、シタ』
「やったぁああー!」
「デッカードありがとう!ありがとぉー!」

所々配線が剥き出しの、鋼鉄の脚部に抱きつく。
勇太は同じ脚部の反対側に。

『アリ、ガトウ』
「うん!ありがとうデッカード!」
「これからもよろしく!」
『ヨロシク…』