落ち着いた二人が顔から離れ、デッカードはようやく上半身を上げる。
少し左右にふらついた。
「これから練習すれば大丈夫だよ!」
「まずバランス、重心を意識しようか」
「バランス…」
「実践あるのみ!」
「これは身体で覚えるしかないよ」
こうしてデッカードと体育の授業が始まるのだった。
「さぁ、こっちだよデッカード!」
荷物の上から手を叩き、彼を呼ぶ勇太。
「なるべく遠くを見てね?…そう、ゆっくり、ゆっくり。関節に力入れて」
積み重ねた箱の上でアドバイスする美空。
「ゆっ…くり……っ」
「あ、危ない!」
「くぅっ…」
「やったぁ!倒れなかった!」
「よし!」
日数が経つに連れてデッカードはバランスを崩す事も少なくなった。
「立ったり座ったりがスムーズに出来るようになったね」
「あぁ、二人のおかげだ」
「次は何をしようか…」
基本的な立つ、しゃがむ、歩くの動きは滑らかに出来るようになった。
本当は思いっきりジャンプさせたり走らせたりもしたいのだが、あまり動き回って整備の人にバレたら困るので軽くしか出来ない。
すると勇太がまた思いついた。
「警察官は銃を撃ったり、犯人を逮捕するんだからそれも練習しよう!」
「しかし勇太、ここで拳銃は…」
「…ポーズの練習?」
「そう!【警察だ!動くな〜!】ってさ!」
「そうだね、照準とか名乗りとか、ぶっつけ本番よりはいいんじゃない?」
「そうか…なら、また教えてくれないか?」
「「もちろん!」」
こうして三人は日が暮れても練習をし銃を構える練習や、犯人に名乗り警察手帳を見せる練習をする声が暫くの間室内に響いたのだった。