危険至って刑事来る!(1)


彼を見たとき、これで、もう大丈夫だと思えたんだ。



「ホールドアップ!ブレイブポリス、デッカードだ!」




腰の拳銃と、警察手帳を翳しポーズを決めるデッカード。
此処は地下。
朝早くに起き、ここ秘密の場所に来た勇太。デッカードは以前勇太から教わったポーズを披露していたのだった。

「どうだ?勇太」
「ばっちりだよ!これでどこに出ても恥ずかしくない、ロボット刑事だよっ!」

その言葉を聞いた彼は微笑んで、鮮やかな手つきで拳銃を腰の専用スペースに戻す。

「練習した甲斐があったな」
「うん!…今日は美空お姉ちゃん学校忙しいって言ってたから、次の機会に見せよう!」
「この次か…」
「どうしたの?デッカード?」

話していたその時。
部屋に設置されているエレベーターが動き始めた。

「誰か降りてくる」
「えぇっ!まだ8時前なのに!」

慌てて隠れる勇太。デッカードも所定の位置に戻ると、エレベーターから年配の男性二人が下りてきた。

「しかし、こんな朝早くに来るなんて…アンタらしいぜ。冴島の旦那」
「警視総監を旦那呼ばわりするのもキミだけだなぁ、藤堂」
「口が悪くったって技術屋は務まるんでね」

気軽さを交えてそこまで言うと、冴島、藤堂の二人はデッカードの前で足を止め彼を見上げた。

「どうだい。ブレイブポリス、デッカードの出来映えは。パワーも機動性もそっちのオーダー通りだ。勿論頭の中には新開発の人工知能AIが搭載されている」
「今日正式発表すれば…日本の、いや世界の警察機構が変革を遂げるだろう」
「こっちもこの穴蔵からやっと出られるってもんだ。どうだい旦那、これから前祝いにモーニングコーヒーでも」
「そうだな」

足音が遠ざかり、扉が閉まる音を聞いた勇太は隠れていた場所から出てきた。
デッカードの足元にきた勇太はデッカードに笑いかける。
しかしまた人が来るかもしれないのと、登校時間が迫っていたため。

「ボクもそろそろ学校に行かないと」
「うん…」

名残惜しいが早めのお別れ。
勇太を出入り口に運んだデッカードは、先程とは少し様子が違った。

「じゃあデッカード。またね」
「勇太…」
「?」
「君に大事な話がある。美空にもだ。学校が終わったら、また来てくれないか?」
「いいけど…大事な話ってなに?」
「それは…その時に話す」
「う…うん…?」

言いよどんでいた様子に疑問を抱く。だが、時間も押してきたので勇太はデッカードと放課後会うことと、美空にも来るように伝えるという約束をし部屋を後にしたのだった。