危険至って刑事来る!(4)

一晩中3人で思い出を語り明かし、笑い、意識を失うように眠りについてしまった勇太と美空。
その寝顔を目に焼き付けるようにデッカードが見つめていると、部屋に照明が灯り、俄かに騒がしくなる。

「いよいよだ…」

エレベーターが稼働し、中からまず責任者が。
そして作業員がぞろぞろと部屋に入ってくる。

「作業、開始!」

指示を受け作業員が一斉に動き始めた。
配備のため作業が始まったのだ。
その音でだろうか。
今まで荷物の陰で眠っていた勇太が目を覚し、デッカードに様々な機器を付けられる様子を見てしまう。

「デッカード…」
「準備完了しました!」
「よし、メモリー消去。再フォーマットだ」
「了解!」

作業員が機械のコンソールを操作し始め、デッカードの記憶消去も始まってしまった。

「…デッカードォ!」
「なんだ!?」
「こ、子供!?」

勇太の叫び声に美空も目を覚ました。
飛び起き、勢いのまま勇太とデッカードの元へと走る。走り出した勇太は作業員に捕まり、美空も捕まる。
だがそんなことより。

(デッカードが!)

「「デッカードォ!」」

二人が叫ぶと、彼が反応した。

「勇太、美空よ…」
「デッカード!」
「デッカードが喋った!?」
「まさか…!?」

驚愕する作業員。
それを尻目にデッカードは二人に語りかけた。


「私は明日から、勇気を持って犯罪者に立ち向かって行く」
「デッカード……」
「ぐすっ…デッカード…」
「二人とも、勇気だ。勇気を持って…強く生きていくのだぞ」
「うん!」

元気よく笑顔で返事した勇太。
しかし顔を両手で覆ってしまっていた美空。
デッカードは慰めようと手を差し伸べようとするが、その前に美空が顔を上げた。

「デッカード!」
「なんだい、美空」
「記憶が消えて配備されたって何したって、何度でも会いに行くから…っ!覚悟しといてよ!!」
「あぁ…ありがとう。さよ、ならだ…美空……勇、太ぁ…」

デッカードのカメラアイの光が消えた。
座り込んでしまった二人を見て、責任者の藤堂主任が部下に指示を出して帰宅させるように言う。
二人は警官に、勝手に敷地内に入ったことに関して厳重注意を受け、自宅に送り届けられた。


「申し訳ありません…ご迷惑をおかけしました」
「じゃ、本官はこれで」


警官が立ち去る。
「勇太…心配したのよ」
「…」

帰宅した勇太は落ち込み、口を開かない。
そして家から飛び出してしまった。

「デッカード…」

帰宅後さっさと風呂に入り身支度をする美空。
のんびりしている時間は無い。
これからデッカードのお披露目パレードが行われる。

(狙われるって分かってるのに、助けない馬鹿はいないでしょ)

自分が行ってどうにかなるなんて考えてない。でも、じっとしてても私の平穏は訪れないから。
私服に着替えた美空は携帯を握りしめ飛び出した。