心を繋いで心が宿る(2)

ところが。

《《《声紋確認。命令をどうぞ》》》
「……はぁ!?」

返ってきた言葉に一気に美空は不機嫌になった。
彼等には意志がない。心が無いことに気づいたからだ。
美空は冴島総監の方に振り向いた。
思わず冴島総監が後ずさるほどの表情で。

「冴島さん」
「は、はい…」
「これは、どういうことですか?」
「それはだな…ビルドチームは」
「まさかこっちの都合で彼らを作ったはいいけど心を宿すか宿さないかで揉めているわけじゃないでしょうね?」
「……」
「さ・え・じ・まさん?」

真夏でもないのに汗を掻いている彼は、目を逸らして美空を見ようとしない。
美空はため息をついてまた後ろの彼等を見上げ、独り言を言った。
随分と長い独り言を。

「あぁ〜あ〜!組織のトップが優れていても部下が使えなければ効率が下がるよなぁ〜!でも、両者のバランスが取れていれば」

彼等に心があれば。
応えてくれる意志が在れば。

「指揮系統の円滑化と連携の迅速化、それによる周囲の被害の減少が期待できるのに。なんで子供の私に分かるのに、この世界の大人は分からないんだろう?」

心底不思議がる美空。

「人の気持ちが分からない輩に、人が救えると。冴島さんは本気で思ってるんですか?」
「!」

そして美空は初めて指令を出した。

「ビルドチームに指令を言い渡す!次回の自己紹介までに自分達の名前を考えておくこと!最優先事項につき拒否・変更は認めない!以上!!」
《《《了解》》》
「美空君!?」
「私は、彼等が決めた名前以外で呼ぶつもりはありませんと、断言しておきます。文句がおありならデッカードと彼等の仕事ぶりを見て判断してください」
「うぅむ…」

と、言っちゃあいるが。
今の彼等より絶対デッカードの方が良い仕事するし、彼等が決める名前も今後心が宿るのも知っている。
いつかの未来図をビルドチームに重ね合わせながら、美空は手の中の警察手帳を握った。

後日聞いた話では、冒頭の流れはデッカードと勇太も同じ反応だったらしい。