「おぉ?嬢ちゃん来てたのか!」
「こんにちは藤堂さん」
腹立たしい気持ちを紛らわそうと辺りを見ていると、警視庁から出てきた藤堂主任に話しかけられた。
「ビルドチームはもう会ったか?」
「はい!かっこよかったです!」
「だろう?…感情データが無いのが残念だがな」
「……そうですね。あの、今工事で何を作っているんですか」
先程より溜飲が下がった美空は藤堂主任に聞く。
「こいつ等の仕事場さ」
「仕事場…?」
「彼等の身体では、人間に合わせた建築物だと行動が制御されてしまうからな」
「確かに」
「後は…あいつ等のボディサイズを変えるしかねえなぁ」
「そこは藤堂さんの腕の見せどころですね!」
「はははっ!こりゃあ頑張らねえと!」
「お願いしますよ〜」
そして藤堂主任が笑いながら冗談で発した、"暇なら整備場でも見ていくか?"
その言葉に機嫌を良くした美空は、走って整備場へと向かった。
「すまないな藤堂」
「いやぁ…それより、どうすんだ?」
「うむ……」
冴島総監は思い返していた。感情が芽生えたことによるデッカードの性能向上は波紋を呼び、上層部でも、ビルドチームに感情データを与えるかどうかで意見が割れている。
『BP-300シリーズにも、感情を与えるべきです。デッカードのデータを基にすれば、彼等に感情を与えることは可能です』
『だがぁ…感情を持ったデッカードの人工知能には、未知の部分も多い』
『そんな不完全なデータをメモリーするのは反対だ!』
意見は分かれ、会議の結論、最終決定は次回に持ち越しとなった。
しかし問題はそれだけではない。
『東副総監。君の意見は…?』
『反対です!私は警視総監ほど、あの友永勇太少年と白星美空を信じておりませんので…』
警察内部の不満もある。
納得させる要因が、必要だった。