心を繋いで心が宿る(7)

デッカードに乗り現場に急行する二人。
車中では、運転席の勇太がデッカードに謝っている。美空はそれを助手席で黙って聞いていた。

「ごめんねデッカード。ボク、デッカードがみんなとあんまり仲良くするから…」
「私の方こそ、すまなかった」
「そんな、謝るのはボクのほうだよ」

涙目で俯く勇太。
自分が悪い態度を取っていたことを、きちんと分かっていたようだ。

「私は、勇太と美空以外にも友達が欲しいんだ」


"人間の他に心を通わせる仲間が居ない。"

デッカードの言葉に勇太は気づく。

「そうか…新しいブレイブポリスは、ただの機械なんだもんね」

とりあえず仲直りしたところで冴島総監等に追いついた三人は、七曲市郊外の廃材置き場へと辿り着く。
錆びた金属が堆く積まれたその場所に、それはいた。


「あれが?」
「あぁ、怪電波の発生源だ。どうやらあの怪電波は地球のものではないそうだ」
「それじゃああれは?」
「おそらく宇宙から来たものだろう」
「なんかあれ海岸にいっぱいありそうな形だね」
「美空お姉ちゃん…?」
「どうしたんだね?美空君」

会話に入っているものの美空は少し離れたところで瓦礫に片手をついていた。
もう片方の手は自身の胸元にある。

「車に、酔いました…うぇ」
「そうか。落ち着くまでそこにいて大丈夫だ。後はこの、あらゆる電波を遮断するシートを被せるだけだからな」
「すみません……」
「これであの物体を包めば、怪電波は遮断できるんですね?」
「そうだ。早速始めてくれ」

その言葉を遠くに聞きながら、美空は比較的汚れていない廃品に腰掛けていた。
いまだに不快感を訴える身体の内側。
吐き気よ止まれと深呼吸して、ハッと思い出した。

(コレ、操られるヤツじゃね?)

「デッカード!たんま!ストップ!いったんカムバァァァクッ!!」
「!?…美空?」

引き止めたが遅かった。
彼はすでにシートを持ち、怪電波を発する物体のすぐ傍に居た。美空の叫びにデッカードは動きを止めたが、その声に反応したのか。

"彼の目の前にいる物体の目が開いた"

「目が開いたっ!?」
「生物なのか!?」
「ヤバイ!」
(隕石生物ガイゾナイトは無機物を操る…!)

目を開いた生物ガイゾナイトから発せられた怪電波は強力で、その場にあった全ての機械に影響を及ぼした。
そう、全ての機械に。

「うあぁぁっ!」
「勇君!!うわあっ!?」

勇太と美空、二人の持っていた警察手帳が壊れて煙を上げる。また、その場に居るブレイブポリス全員に怪電波の影響が及んだ。
デッカードが苦しみ、持っていたシートを手落とし膝をつく。

「怪電波が、私を…コントロールしようとして、うあぁ!」
「デッカードォッ!」

そしてBP-300シリーズは怪電波に操られ、デッカードを攻撃しだしたのだった。3体に何度も攻撃されるデッカード。デッカードのコントロールを支配できず、ガイゾナイトは防衛本能により彼を敵とみなした。

「ま、負けるものか…っ私は、決して、負けない、ぅわぁああ!!」
「デッカードォオオ!」

(これが心あるものとの違いなのか…)

怪電波に苦しめられながらも、BT-300シリーズの3体のようにコントロールされていないデッカード。

「「デッカードッ!」」
「勇太、美空…ぐああぁあ!」

感情データの有無。
ただそれだけではない何かを、冴島総監は心の中で感じていた。