心を繋いで心が宿る(9)

ゴミ山からひょっこり顔を出せば、勇太と冴島総監、そしてご近所さんが協力してガイゾナイトに電波遮断シートを被せたところだった。

「おーいみんなぁ!」
「あ!美空お姉ちゃん!」
「空ちゃん大丈夫ーー!?」
「は〜い!皆さんありがとーう!!」
「無事でよかった…」
「ありがとうデッカード」
「BP-302と一緒にいたのか」
「えっ?あ、はい」
(そういえば彼は302番なんだったっけ?名前で覚えていたから分からなかったよ)

すっかり安心していた美空がBP-302の掌の上で彼等と会話を楽しんでいると、デッカードの背後にいるスクラップから作られたロボットが突如活動を再開した。
右手の巨大ドリルがデッカードを貫こうと迫る。

「…っ!デッカード後ろ!」
「危ない!デッカード!」
「!?」
「ビルドチーム!デッカードを守れぇっ!!」
≪≪≪命令・確認≫≫≫

冴島総監からの命令を受けたビルドチームは、3体それぞれの攻撃で、巨大ロボを破壊した。デッカードとビルドチームは、無事に事件を解決したのだ。

「やったぁ!」
「これで、彼等の名誉挽回になったかな?」笑顔で頷く勇太。しかし、何かが足りないと感じた。その違和感を探し勇太は周りを見渡す。
自分、冴島総監、ガイゾナイトの触覚を踏みつける親方さんにそれを見ているご近所さん達。

「美空お姉ちゃんはどこ?」
「え?」
「……此処だよ〜」
「「!?」」

足りないもの。それは美空の姿だった。
なんと美空は、冴島総監の命令を聞いたBP-302に放り投げられ地面に落下していたのだ。

「だ、大丈夫か美空君!」
「何とか…冴島総監」
「なんだね!?」
「このままじゃあ身体がいくつあっても足りません…ガクッ」
「美空くーーーん!?」
「おねえちゃーーんっ!」
「……ぐ〜」
「「ね、寝てる…」」

必死に足場の悪い廃棄物置き場を走り回った美空は事件解決に気が緩んだか。
怪我の手当てもしないまま地面にうつ伏せになり寝てしまう。
その姿は行き倒れの如し。
この後病院に運ばれた美空は、足の怪我に全治2週間の診察を受けた。そして検査している間にBP-300シリーズのAIに感情データが入力され、デッカードに仲間が増えたのだが、その現場に立ち会うことができず彼女が拗ねたのは余談である。