21世紀。
機械化や文明が進み便利になったこの時代でも、子ども達が楽しみにするこの季節がやってきた。
「はぁ…っ、寒い」
12月21日。
白星美空はデッカールームの周りを雪かきしていた。この季節でも警視庁のある七曲市は、温暖化の影響かロードヒーティングのおかげか、うっすらとしか雪が積もらないはずなのだが。今年に限って大量の雪が市内全体に降り積もっており、12月の始めから大忙し。
ブレイブポリスは事件の出動より、雪かきの出動要請回数が倍近くになった。
…ドリルボーイは雪かきが楽しくて仕方ないようだが。
「美空」
「あ、マクレーン?どうした?何かあったの?」
「いや、問題は無いのだが…」
「?」
「その、も」
「美空!…マクレーンも」
「パワージョー?」
「どうしたんだ?(今美空を誘おうとしていたのに…)」
「美空、ボスが探してたぜ?(抜け駆けなんてさせるかよ!)」
「勇君が?ありがとうパワージョー!…あ、パワージョー。マクレーンもしゃがんで?」
「「?」」
美空の手の届く位置に屈む。
「最近ゆっくりお喋り出来てなかったからさ?…よしよし、いつもありがとう。お疲れ様」
「美空…!」
「ガ、ガキじゃねえんだからよ…」
「あ…そっか。ごめんね?パワージョー」
「え、いや…別に……」
「そう?じゃあ頑張ってね!二人共!」
謝ると美空は離れ、デッカールームに入っていく。
後ろの喧騒は扉が閉まると聞こえなくなった。
「ひえぇ〜寒かったっ!」
衣服に付いた雪を払っていると、独特の機械音を立てながら廊下の向こう側からガンマックスが歩いてくる。
「Hey!Goddess、どうしたんだ?」
「やぁ、お疲れ様ガンマックス。勇君探してるんだけど…何処にいるか分からない?」
「Hmm…見てねえな」
「分かった。ありがとう」
「待てよGoddess.一緒に捜したほうが早いだろ?俺の手に乗りな」
「いいの?」
「ああ。俺から言ったのにどうして駄目なんだ?」
「そうだね。じゃあお願いします」
差し伸ばされた広い掌に乗る。
「…ほら、上着」
「ありがとう」
凭れた背中は冷たいが、掛けられた上着と心遣いに暖かさを感じ、美空は上着に埋もれながら微笑んだ。
「美空」
「…なぁに?」
「Ah〜」
顔を上げると何故か辺りを見回しているガンマックス。
「?どうし」
「「此処にいましたか姫/さん」」
「あ、シャドウ丸!カゲロウも!これから仕事?」
「いいや。まぁお仕事っちゃあお仕事ですがね」
「今の仕事は姫にボスと冴島総監がデッカールームに来るように、とおっしゃっていたと伝言することです」
「そうか…よし、影コンビはミッションコンプリートです!」
親指の立てて言うと笑いながら返事してくれた。
「じゃあ皆でデッカールームに行こう?」
「「「了解!」」」
途中ガンマックス、シャドウ丸、カゲロウの掌から掌へと移動しながら着いたデッカールーム。
中に入ると勇太と冴島総監とドリルボーイが此方に気づいた。
「来たようだね」
「「美空お姉ちゃん/さん!」」
「おはよう勇君、ドリルボーイ。冴島総監、遅れて申し訳ありません。お話とは何でしょうか?」
「はっはっはっ!そんなに畏まる必要は無いぞ美空君…他のメンバーも来たようだな」
後ろを見ると交通整備から戻ったデッカードとダンプソン、外にいたパワージョーとマクレーンが来ていた。「総監、お話とは一体?」
「うむ。皆、連日の雪かきや事件解決に尽力してくれてありがとう。周辺住民から感謝の電話が沢山着ている。事件発生件数、規模、それ等を踏まえ上で話し合った結果…君達に休みを与えようということになった。というかした!」
バーンと言い切る冴島総監。
「やったね!みんな!」
「これで雪かきから解放か?」
「取りあえず一段落でありますな!」
盛り上がるブレイブポリス達。
「冴島総監、休みの日はいつですか?」
「23、24、25の3日間だ。だが実質23、24…クリスマスイブとその前日が休みになる。クリスマスの日も丸一日休みにしたかったのだが、いつ犯罪が起きるか分からないと言われてな…。クリスマスはシフト制でパトロールに当たってもらう」
申しわけなさそうな総監に各々が気にするなと、そしてお礼の言葉を言う。そんな中、勇太が提案した。
「じゃあみんなでクリスマスパーティをしようよ!」
「いいね!…大丈夫ですか?冴島総監?」
「あぁ、問題ないとも。仲の良い方々も呼びたまえ」
「やったあ!」
こうして24日に、仲の良い人達と共にクリスマスパーティをすることになったのだった。