22日。
美空は冴島総監から指示され、デッカードと共にパトロールをしていた。
ルート上にある順番に、いつもの面々に会ったりしながら連絡を取っていく。
「親方さーん!皆さんも!」
「おぉっ!空ちゃんにパト吉じゃねえか!どうしたよ?」
「警視総監の許可を頂き、クリスマスパーティをすることに」
「勇君が提案して上から許可を頂きました。…皆さんの都合がよかったら」
「いいに決まってるぜ!てやんでぇ!」
親方さんが他のご近所さん達に聞くと、全員参加の返事をしてくれた。
「ありがとうございます!」
「当日、24日にまた連絡しますね」
「分かりましたでございますデス」
「勇ちゃんによろしくね!空ちゃん」
「はい!」
ご近所さん達と別れ、警視庁に向かう最中に通信が入る。
「応答頼む」
「カゲロウか?どうしたんだ?」
「美空は居るか?悪いが、頼みがある」
少し焦ったような雰囲気に、デッカードはすぐ了承した。
「カゲロウ?」
「ボクもいるよ!」
「ドリルボーイも?」
「珍しい組み合わせだな」
「美空、ダンプソンとマクレーンをなんとかしてくれないか」
「ダンプソンとマクレーンを?」
「すっごく落ち込んでるんだよぉ〜…でも、理由を教えてくれないんだ」
「?…分かった。とりあえずそっちに向かう」
「「了解!」」
通信が切れると同時に美空は携帯を取り出し電話を掛ける。
「もしもし、美空ちゃん?」
「はい!こんにちは、せいあさん!今私仕事が終わって…今お時間大丈夫ですか?」
「えぇ」
「あの…実は私、クリスマスパーティを企画したんですね…でも連絡した人、誰ひとりとして来てくれないんですよ」
「え゛…そ、そうなの?」
「はい…もう今年のクリスマスは自宅で独り、見栄張って買ったケーキとシャンパンとコンビニのチキン…いや、何もしないで寝てようかな。つまりぼっちですよぼっち」
はぁ、とため息をつく。
電話口と、事情を知っているはずのデッカードが沈黙した。
「せいあさんは23と24日何か用事、あります?」
「えっ…自衛隊の仕事があって、夜飲み会があるわ…」
「そう、ですか…ありがとうございました。何か、愚痴ってしまってすみません」
しゅんとして電話を切ろうとすると。
「あ、待って!美空ちゃん」
「はい?どうかしました?」
「…よかったら、私の愚痴も聞いてくれない?会ってお話出来ないかしら?」
向こうからの誘いに顔を見合わせる。
「いいんですか?」
「ええ。私も聞いて欲しいこと、あるし。あ、綾子さんもいるから」
「「えっ?!」」
「あら、誰かいるの?」
「えっと…外で電話してたら、寒いからって今デッカードの中に…」
「ふぅ〜ん…まぁ、いいわ!今から出てこれる?」
「勿論です!」
やった!女子会だ!と言うと電話口でクスクスと二人の笑い声が。マジ美女最高。
駅中の喫茶店で会う約束をし、電話を切った。
「計画通り」
『『『怖っ!』』』
美空の表情とセリフに、周りの総監や勇太、ブレイブポリス達が悲鳴を上げる。
実はもうパトロールから戻っており、デッカールームで今の会話を皆聴いていたのだ。
「策士だ…」
「え?何で策士なのさ?」
「一度相手に自分の予定を断らせる、またその事で落ち込ませたと、相手に気遣いさせることで自分の本当の要求を通したからだ」
「??」
「クリスマス会いたい→会えないなら今会えませんか?こっちは予定が無いんですよ…→なら、と、会話の中で情報をばら撒くことで」
「二人と接触、直接会話することに成功。予定を取り付けることが出来た、というわけか」
図付きで説明するシャドウ丸。納得するガンマックス。
「ひぇ〜っ」
「でもこれ、せいあさんと綾子さん…相手が優しくないと出来ないかも」
その言葉に、ピクッと肩を動かすマクレーンとダンプソン。
「二人はなんて言って誘ったのかな?」
「え…と」
「言え」
「「はい」」
マクレーンとダンプソンの話を聞いた後、美空は私服に着替えてせいあさんと綾子さんに会いに行ったのだった。