24日クリスマスイブ。
とうとうクリスマスパーティ当日。
高校の授業を終え、美空は歩いて警視庁に向かっていた。
道行く人々はみんな笑顔で幸せそうだ。
そんな中、何故か美空は元気が無い。そのまま歩き続けて庁内に辿り着くと、中を徘徊する。
「何をしているのかね白星君」
「…東副総監!」
その声に、途端元気になる(ように見えた)美空。自分の持っていた紙袋から包みを取り出すと東副総監に手渡した。
「これは?」
「ほっほっほ!メーリィクリスマス!」
「…は、はぁ?」
首を傾げながら紙袋を畳みハイテンションに去っていく美空を見送る。
(これで後は彼等だけ!ああ眠い!)
お世話になっている人にプレゼントを配っていた美空。どうやら徹夜明けのようだ。
整備室へと向かった美空はまっすぐ藤堂主任に話しかける。
「藤堂さん。昨日はありがとうございました」
「おう、嬢ちゃんも昨日はお疲れさん。手配は万全だ」
「助かります…」
その言葉を聞いて、彼女はやっと肩の力を抜く。
「あぁ、"アレ"なら後二時間ほどで此方に到着する」
「いやぁセンスあるぜ嬢ちゃん!……冴島の旦那には悪いが引き抜いちまおうかな」
「おいおい、私の隣で良い度胸だな藤堂」
「「「あっはっはっ!」」」
ブレイブポリスのみんなにプレゼントを渡すために、協力してくれた冴島総監と藤堂主任と談笑する美空。
辺りを見渡すと、招待した人達が揃いだした。
「本日はお忙しい中お集まり頂き、ありがとうございます。では…メリークリスマス!!」
『『『メリークリスマース!!』』』
サンタ姿の冴島総監が挨拶する。
ちなみに美空もミニスカサンタだ。
活気あふれ、騒がしくなる室内。
「美空ちゃん」
「今回はありがとうね」
「せいあさん、綾子さん…昨日はお楽しみでしたね」
「「な、何言ってるのもうっ!」」
「いってぇっ!」
照れた二人に背中を叩かれ悶える。でも赤面してチラチラとパートナーの方を見る二人がかわいいから許す!
(ごちそうさまです!)
ちょっと独り身の心が荒みながらも楽しく周囲と話す。
「美空、大丈夫かい?」
「うん。ありがと、デッカード」
(なんかお節介焼いちゃうんだよなぁ…老婆心?)
むしゃむしゃとオードブルやケーキを食べていると、小学生4人組に袖を引かれる。
「美空さん!」
「ん?…ゴクッ、何かな?」
「美空はパワージョーだろ!?」
「カゲロウ…いやガンマックスですよ!」
「デッカードだよぉっ!」
脈絡の無い話に食べる手も止まる。
とりあえず四人がこちらに向ける目が眩しい。部屋の片隅に飾られているクリスマスツリーの装飾の輝きより眩しい。
「えっと…?」
「もうっ!美空さんの好きな人よ!」
「ぇぇえええっ!?」
叫び声が響き渡る。
「って、何でみんなが悲鳴上げるのさ?」
「あ、その…」
うろたえるブレイブポリスの面々に、興味津々に此方を見る大人達。そして更に質問してくる子供達。
「美空ちゃんは誰が好きなのぉ〜?」
「みんなが好きですよ?」
「えーっ!」
「いや、ライクじゃなくてラ・ブよ!」
酒臭いですよ大人達。
「で、どうなんだい。美空君」
「言っていいんですか?」
「いいともいいとも」「じゃあ──言います」
「!?」
美空が視線を向けるとモジモジしだす彼等。
「本音言うと全員愛してます毎日思わないときは無いし思うと胸がドキドキするし何だかんだ言いつつ私を理解しようと歩み寄ってくれるし真面目でお茶目で明るくて熱血で仲間や周りを大事に思ってくれる皆を、私は愛していますし愛し続けます…え?証拠が無い?しょうがないなよぉし気分いいからみんなオイル持って来い全員口移しで飲ませてやる!」
『…〜っ!!?』
「美空、何を言って」
「最初はデッカードか!よし来い!」
両手を広げる彼女を見て無言でデッカードが赤くなったフェイスパーツを手で覆い座り込んだ。
周りのブレイブポリス達も同じ様になったり固まっている。
「みんなかわいいなぁ〜…だぁいすき……ヒック」
「誰だ未成年に酒飲ませたのぉおっ!」
真っ赤な顔で叫ぶパワージョー。その傍らでドリルボーイは刺激的過ぎたか、気絶している。
暑い、と脱ぎだそうとする美空を止めるカゲロウとシャドウ丸。ガンマックスはデッカードを気遣っており、それは彼女が酔いつぶれるまで続いたのだった。