「一度家に寄りたいんだけど、いい?」
「OK」
パトロールを始める前に自宅に立ち寄る。実際用があるのはその隣近所だが。
ガンマックスは以前美空が酔ったのを覚えていたようで、静かに、スピードを出さずに走行した。
「到着だ」
「ありがとう」
「報酬はアンタからのKissでいいぜ?」
「ばーか!」
「照れんなよ」
「照れるなって言う方が無理だ!」
ぎゃあぎゃあ(主に美空が)騒いでいると、隣の、友永家から人が出てきた。
「美空姉さん!こんにちはっ!」
「くーちゃん!こんにちは!」
勇太の姉、友永くるみが此方を見るなり走り寄ってくる。
「どこかへ出掛けるの?」
「えぇ!…あれ?このロボットは?」
「彼はガンマックス。一緒にパトロールと言う名の散歩中」
「そうなんだ〜!ガンマックスさん。美空姉さんをよろしくお願いします」
「任されたぜ、嬢ちゃん」
じゃあと手を振る彼女だが、何故か此方に戻ってきた。
「どした?」
「美空姉さん。パトロールって…あの噂の?」
「え、くーちゃんも話し掛けられた?」
「うん」
「話してくれ」
彼女は放課後友人と別れ、帰宅途中にその不審者と思われる人物に話しかけられたらしい。
人通りも疎らな道で焦ったのだが、不審者は勇太と美空のことを質問し終えるとすぐいなくなったのだった。
「質問全部しらばっくれたけど、すごく気味が悪かったわ」
「…ごめんねくーちゃん」
「ちょっ、謝らないで美空お姉ちゃん!」
「そうだ。アンタに問題がある訳じゃない。嬢ちゃん…そいつは二人に関する質問の他に、何か言ったりしなかったか?」
ガンマックスの質問にくるみは悩んだ。
「特に何も…あ!でも」
「「でも?」」
「質問終わった後に、すごっくため息着いてた!まるで落ち込んでるみたいに!」
「Huh…」
(落ち込んだ…か)
「ありがとうくーちゃん、参考にする」
「えぇ!じゃあね二人とも〜!」
明るく去っていったくるみを見つめる美空。
「パトロールっ!」
「!?」
「次、行ってみよう!」
「…了解」
ガンマックスはサイドカーに向かう美空を見つめた。
不安を振り払うように歩く彼女を。
聞き込みは続く。
「おう空ちゃん!今日も精が出るな!」
「こんにちは。親方さんもお元気ですね」
「あったぼうよ!…お?今日はパト吉は一緒じゃねぇんだな」
「デッカードは勇君と一緒だよ」
「パトロールか?…糸畑さんが噂してたあの不審者か!」
いきり立つ親方。
彼の耳にも入っていたようだ。
「はい。親方さんもご存知でしたか」
「あたぼうよっ!空ちゃんと勇坊のことをコソコソ嗅ぎ回ってるっつう奴だろ?何が目的か知らねえが、会ったらただじゃおかねぇ!べらぼうめぇ!」
「おいおい、一般市民が穏やかじゃねえな」
「あ゛ぁ!?何でぇこの白バイ小僧!」
「んだよオッ・サ・ン」
興奮する親方とガンマックスをどうどうと宥める美空。
自分達のことを大切に思ってくれているのは嬉しいが、乱暴なことも怪我もしてほしくない。
「糸畑さんに聞きゃあ、不審者がどんな奴か分かるだろうさ」
「うん。教えて…心配してくれてありがとう、親方さん」
「へっ!あったりめえよ!パトロール気をつけろよ空ちゃん」
「はい!」