summer vacationでワイワイ!(3)
朝9時を過ぎ、開店した大型店舗へ足を踏み入れる。「…すごい種類があるな」
「そうみたいですね。レーラァはどんな服が好きですか?」
愛弟子の言葉に、ブロッケンJrは困った顔をした。
「今まで、服は着れたらいいくらいの心持ちだったからなぁ…すまんなジェイド。お前が幼い時に、まともな服すら与えてやれなくて」
「いえ…」
「些細な質問でここまで落ち込むとは」
スカーですら気まずそうにしている。
「まぁまぁ、これから楽しめばいいじゃないですか」
「あぁ、そうだな」
「好みの色とかはあるんすか?」
「よく着ていたから…緑か黒だろうか」
「なら似た系統の色も見つつ選びましょう!」
四人でもちゃもちゃと話し合いする姿は、"お洒落に疎いお父さんを改造しようとする家族"にも見える。
有名な超人と知りつつ静かに見守る店員も、何だか微笑ましそうにしていた。
「完成!」
「どうですか?お洒落代表イタリアーノの目から見て」
「さすが
「お前達…これは若すぎないか?」
「「「全然」」」
シンプルな白のリネンワイシャツをロールアップし、胸元を広く開けサングラスを引っかける。
パンツはシーグリーン色のストレートをアンクル丈に。
靴はビルケンシュトックの太い2つのベルトが付いたブラウンのサンダルで、メッシュベルトも同様の色だ。
「何だか落ち着かんな…」
オフホワイトのジャケットを小脇にブロッケンJrは頭を掻いた。
薄手で、ライトグレーのニット帽の下にヘッドギアは無く。
頭を掻いてズレた帽子からブロンドが覗いていた。
「お似合いです!レーラァ!」
「中の色違いで買ったライトブルーのシャツ、今度着ろよな。つーかジェイド。さっきからお前それしか言ってねえよ」
「だって!あの、うぁあ…!」
「分かった分かった。ギャップにやられたんだな」
「!」
何故分かった!と顔に書いてあるジェイドにスカーは呆れた。
最初は伝説超人を着せ替え人形に出来るとふざけていたが、飲んだくれていたとは思えないほど引き締まった肉体。
他の伝説超人より体格はあまり無いが、筋肉がバランス良く付いた体は、コートに隠れて気づかなかったがスタイルが良かった。
「…沙希さん?」
「おい、大丈夫か?」
「時間がかかってすまない。待っている間疲れたろう?」
タグを外してもらい、そのまま着て会計を終わらせたブロッケンJr(支払いに一悶着あったが、若いの三人で割り勘にし、プレゼントということにした)達は、フロアにあった椅子に座り項垂れる沙希に話しかけた。
彼女は無言で首を振ると、絞り出すように声を発した。
「かっこよすぎて直視できない…」
「!」
「よかったですね、レーラァ!」
顔を赤くして固まる二人に、事情を知るスカーは遠い目をした。
(あぁ〜熱い熱い)
彼女の水着を買う時に、今度は逆バージョンがあるのだが、今回は割愛。
全員の服や水着を買った一行は、万太郎に連絡を取ると、海水浴場へ足を運んだ。