summer vacationでワイワイ!(4)

「沙希さぁんこっちこっち!」
「万太郎くーん!あれ?凛子ちゃん達?」
「夏休みの旅行で」
「先輩方…ナンパですか」
「いいや、今回は単純に偶然だ」
「久しぶり沙希さん!」
「うん、久しぶり。皆元気にしてた?」
「珍しいですね」
「雨が降るかもな」
「なぁ、後ろの人は知り合いか?」

キッドの言葉に沙希・ジェイド・スカーの三人は腹を抱えて笑った。
他の面々は頭に?を飛ばし首を傾げている。

「な、なんでそんなに笑ってんだよ!」
「もう、これっ…変装の域だっ、はははは!」
「全員会ったことあんのにな…グフフ」
「悪かったな。普段があんなで」
「レーラァはいつもカッコいいです!」

サングラスを取った顔と渋い声、そしてジェイドの発言で誰だか分かった他のメンバーは仰天した。

「「「「えぇ〜〜〜っ!?」」」」
「ブロッケンJrさん!?ヤバ、すごいカッコいい!」
「スゴイよね。ハンサム・イケメンは人類の宝だね」
「あ、沙希さん耳まで真っ赤(コソ)」
「沙希さんも水着似合ってますよ!(コソ)」
「どーも…(コソリ)」

Team-AHOの面々はその様子を見て。

(さっきナンパしなくてよかった…)

と、思っていた。
もししていたら、合流した時点で獲物が全部あっちに流れていたことだろう。

「俺の格好についてはもういい、さっさと遊べ。荷物は見ておくから。時間はあっという間だぞ」
「はーい!」
「せっかく海に来たんだ。泳ぎに行こうぜ!」
「う、うん」

若い超人達が沙希等を連れ立って歩いていく後ろ姿を。
ブロッケンJrは眩しそうに見つめていた。

「準備運動よーし!さぁ、入ろうか」
「いぇ〜い!」
「きゃっ、もう…たまきちゃん!」
「あははははっ!」
「冷たくて気持ちいいですね」
「うん…若いっていいねぇ」
「沙希さんだってまだ若いで、しょっ!」
「わっ!ちょっとチェック君、万太郎君四人がかりは…きゃあっ!」

集中的に水しぶきをかけられ、沙希は咄嗟に近くにいた人の腕を掴んで盾にした。

「けほけほっ!カット頼むカット」
「…」

水しぶきがかからなくなり、沙希は顔をあげた。

「ありがと…ケビン君」
「まったく、こんなカットしたことねぇぞ」
「ごめんごめん。助か…うわっ!」
「なっ!?」

突如飛びついてきた彼女をケビンマスクは咄嗟に抱き抱えた。
水着の上に巻き付けていたパレオがはだけて白い足が付け根まで露になる。

「どっ、どうしたの沙希さん?」
「凛子ちゃぁ〜ん」
「ちょっと早く降りたほうがいいって」
「ダメダメダメダメ!く、クラゲが」
「え?」

数秒後。
ケビンマスク含め会話が聞こえた他のメンバーも笑い出した。

「アンタ、悪行超人に啖呵切るくせにクラゲ怖いのかよ」
「グギャハハハ!」
「笑うなぁ!」
「触るか?ホレ」
「ぎゃあああああクリオネマン止めてぇえ〜!!」

結局ケビンに砂浜まで連れていってもらった沙希は、もう海の中に入ろうとはしなかった。

「…楽しそうだったな」
「まぁ…でも、クラゲが…」
「あぁ、そういえば。君は若いキン肉マン達と海に行った時も同じことを言ってらしいな」
「えぇー!?教えてくださいよぉ」
「悪い悪い」
「もう…」

パラソルの下に広げたシートの上に座り、沙希はふてくされたように頬を膨らませた。

「もし…」
「?」
「あー…もしよかったら、後で海岸を散歩でもしないか?」

「いいんですか?ブロッケンJrさんの見回りは?」
「あぁ。先程バッファローマンから連絡が来た。見回りは彼等が酔い潰れていた詫びにやるとさ。帰りに食材を買って来るよう頼まれたがな」
「おつまみ全部なくなったのかな?」
「かもな」
「じゃあ、お言葉に甘えましょう」

くすくすと笑い合う二人。
自然体で話せるようになった沙希は、やっと彼の顔を見れるようになっていた。

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