流るるままに(4)
「…困ったなぁ〜」
「自分から喧嘩ふっかけたくせに…よく言うなあ、里美殿」
「いやあどうしても我慢できませんでした。すみません」
「まったく」
「で?どうするんだ?」
里美が伊達家家臣に啖呵を切り、一触即発の雰囲気になった後。
輝宗様の一喝で静かになり午後に【親善試合】の場を設ける、という形になった。
家臣達が退室した後に一通りお説教されてからこうして作戦会議?相談?をしているのだが。
「体育の竹刀くらいしか持ったことないからなぁ…」
「「…」」
部屋にため息が3つこぼれた。
「さとみ……」
「どうした?梵天丸くん」
「…」
無言だが、不安げに里美が着ている着物の袖を掴んで離さない梵天丸。
「心配かけてごめん。だけど、きっと大丈夫」
「なんで?」
「え゛っ!?あ〜……」
(理由、無いな)
まったく考えてなかった里美。
(でも死ぬつもりないし)
「「「?」」」
「梵天丸くん」
「なぁに?」
「もしよかったら、応援してくれる?…外に出たくないなら今ここで」
「え?」
「もし梵天丸くんが頑張れって応援してくれたら、なんとかなる」
「ほんと?」
「気がする」
「おい」
小十郎の鋭いツッコミが入る。
「お、応援したら」
「ぅん?」
「けがしない?」
「努力する」
「怖くて泣いたりしないか?」
「ぁ〜…たぶん」
痛いのやだからねと苦笑いし言うと、梵天丸は。
「死なない?」
小さな手を握り締める梵天丸。
それを見て里美は。
「ここで死ぬつもりはないよ。もったいない。せっかく梵天丸君と友達になったばかりなのに」
「本当?約束する?」
「うん、約束する。…指切り、しようか」
「うんっ!」
小指同士を絡ませて明るく唄う。
「指切りげんまん嘘ついたら…うーん。あ、小十郎さんから百叩き!ゆび切ったっ!」
「切ったっ!」
「「!?」」
「よし…梵天丸君」
「?」
「かっこいいとこ、見せるから」
「っ…ぉ、おー!」
若干怪しいウィンクを決めて。
(さて、気合い入れるか)
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