種よ、人の望みよ喜びよ(2)
里美が縁側で日向ぼっこをし、そのままうとうとしていると、自分の背後の障子が勢い良く開いた音に驚いて振り向く。

「里美!」
「なぁに梵天丸君?」
「花見だ!一緒に花見しよう!」
「…花見?」

実は一度も花見をしたことがない里美は首を傾げる。

(テレビで見たことはあるけど)

「何が必要なのかな?」
「うーん…里美がいればいい!」
「そっか。ふふっ、ありがとう」
「?」
「いつお花見するの?」
「今日!これから!」
「早い!」

大袈裟にのけぞると、梵天丸が笑いながら手を掴んで引っ張るので引き寄せて抱っこする。

「いつ始まるのかな?」
「あ、分かんない…」
「きっと誰か呼びに来てくれるよ。それまで庭で遊ぼうか?」
「うん!」

それから暫くの間里美と梵天丸は庭を駆け回り遊び続けたのだった。
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