だめっ! カオリは慌てて目を覚ました。大腿に手を伸ばしてスマートフォンで時刻を確認しようとするが、むき出しの肌に触れただけでそこには何もない。 油断して裸で眠ってしまったらしい。そのことに気づいたカオリは両腕で胸を隠して慌てて起き上がった。 しかし周囲に変化はない。時間もほとんど経っておらず、せいぜい5分ほどのことだったように思える。やはり意識が張っていたのか完全には眠っていなかったらしい。 カオリは溜め息を漏らした。こんなに油断だらけだから天然なんて言われてしまうのだ。 体から疲労の多くが消えていた。1分でも眠ると身体の疲れはよく取れるものだ。 カオリは立ち上がり、周囲を気にしながら衣服に手を伸ばそうとした。だがその手は途中で止まってしまう。 カオリの目は川の向こう側に向いている。犇めく木々で空間が円形に切り取られているこの広場だが、川の部分だけが例外で向こうの空間に繋がっている。まさに天然のダンジョンだ。あの先には何があるのだろうか? さっきまで近隣を回っていたが、向こう側の空間に行くにはこの川を越えていくしかない。 カオリは衣服を草花の隙間に隠すと、再び水面に足を入れた。