えっ……? カオリの足首に黄色い蔓が巻き付いていた。左も、右も。 「なに……これ……?」 まるで動いているかのようだ。地球上にもこんな植物がいた。名は確か……。 左右を見渡すと、どこからともなくまとまった蔓が伸びてきてカオリの足を捕らえていた。左脚を軽く動かそうとするも、絡まった蔓が締まって離れない。もっと強く力を入れればと意を決するが、皮膚に直接触れているそれは想像よりも速く絡みついてきてすでに膝下まで達していた。 まるで動きを封じようとしているようだ。 なにかの意思を持っている? もしかしてこれって何かのモンスターなんじゃ……? 焦りで心臓が高鳴り始めた。 「ちょっ……ちょっと!」 蔓を切り裂こうにも剣はない。丸腰どころか丸裸のカオリの身体を這うように蔓が巻きついてくる。 「きゃっ! 何これ!?」 なすすべもないまま触手はカオリの尻の辺りを越えた。 腰に蔓の滑る触覚を覚えたその時である。唐突に虚脱感が襲ってきたのは。 えっ……? あれ……? 視界が僅かにぐらついた。音がなくなっていく。目の前にあるはずの石碑が倒れ込む錯覚を覚えた。 その時右腕に力を入れ、能力を解放しようとしたはずだった。しかし集中力が途切れてうまく力が入らない。 「なん……で……?」 今度は体全体から力が抜けていく。まるで体力を吸収されているようだ。植物が触手を伸ばすのは相手から栄養を奪い取るためだ。ということは自分もそれをされているのか。 「あん……っ……や……め……」 蔓はカオリの腹部を越え、乳房を絡めとると肩口を狙う。痙攣するように全身が震えた。 だめ……このままじゃ身体を乗っ取られる。 肌に蔓が触れている部分から力を奪われているのがわかってきた。しかしその頃にはすでに意識レベルの低下が起こっており、カオリの記憶が残っているのはそこまでである。