「どうだった?」 問いかけにソフィアは首を横に振った。 「まったく。あいつは一体どこに? ヒュルデンを深追いし過ぎたのか?」 ヒュルデンは元神官でありながらなかなかの術の腕前だった。カオリひとりでは分が悪いはずだ。 しかし……。 ダンクスは足元で倒れている獣人2体と獣1匹を見やった。 3匹の魔物を自滅させ、すぐ傍でエンドーの後頭部を殴って気絶させた。どのように倒したかはわからないが近くの木の裏側でドマーも鼻血を出して倒れていた。これだけをひとりで倒したのだから見事という他はないが。 ダンクスはドマーの倒れているところまで歩いていき、腰を屈ませた。叩き起こして居場所を吐かせるならこちらか。 そのままどこか遠くの街へ逃げた可能性は否定できないが、残りの2振りの杖を野ざらしで放置していたとは思えない。 こいつらはこの実験場以外にもどこかにアジトを持っていたはずなのだ。 しかし厄介になった。ダンクスは口元に指をあてた。 アンチセフィロトの残党がスィメア各地に潜んでいる。しかも怪しげな武具を所持してである。セフィロト教団に反目した輩ゆえ、セフィロト教団の秘術こそ使っては来ないだろうが、それぞれが某(なにがし)かの戦闘能力を有した手練と考えた方がいい。話によれば現時点でメルクマンサエリアに潜んでいるのはヒュルデンだけのようだが。