「なるほどご苦労だった。みんな無事でよかったな」 ライノスは険しい表情をしていたが、ダンクスの報告を受けると口元を綻ばせた。 「それもこれも先輩とカオリさんのおかげです」 ソフィアは笑顔で答える。 「おいおい、そこに騎士団のメンツの名前を入れてやらんか」 そう言いつつ、ライノスの笑みがやまない。背教者を退治したのが自警団のメンバーということが誇らしいのだろう。 自分も強くならないといけない。そう心に誓うソフィアであった。 戦いの午後、ふたりはカオリと騎士団のメンバーを連れて村へと戻ってきた。あまりのスピード解決ゆえに首謀者を取り押さえて騎士団に引き渡したことをなかなか信じてもらえなかった。 「ところでカオリはどうした?」 ソフィアは意味もなく窓の外をのぞきこんだ。 「お家にいらっしゃいます。能力の使い過ぎで体力が残っていないそうです。明日の朝まで起きないかもしれませんね」 「能力の使い過ぎ……ねぇ」 ダンクスは腑に落ちないといった顔で頭を掻いていた。ソフィアも同じ気持ちだった。カオリの持つ能力は魔法ではない。まるで彼女は本当に緑樹の精霊になってしまったかのようだ。 いや、そもそも最初から彼女は……。