「ナーナイさん、髪留めあります?」 カオリは首元から髪をすくい上げると、ナーナイから渡されたゴムでまとめてポニーテールにした。 カオリの人となりもあるが、幼さの残る彼女が活発そうな髪型をするとこれも似合うのだった。ルックスを思えば何を着ても美しく見えるのだろうが。 カオリはくるりと一回転すると、髪を揺らしてパーテーションをどけた。本日2度目のお色直し。 「へぇー。こんな感じになるんだねぇ。お前さんが着たらなんでも似合うわねぇ」 ビルモアは頬杖をついたまま深い息を吐いて笑みをこぼした。 「ありがとうございます。帯もあったし、後は防具があればいいんですけど、さすがにそこまではありませんでしたよね」 「防具かい。それはたぶんないね。でもあの子はいろいろ持ち込んでいたし、そういえば剣のようなものはあったかもしれない」 ナーナイはカオリの側に寄ってきてカオリの周囲を一回りする。そして恥ずかしそうに顔を逸らすカオリに構わず、腕組みをしながら口を開いた。 「これが戦闘服なのか。でもこの服いいね。うちでも真似して作ってみようかしら」 「えっ、ほんとですか?」 カオリの萌え袖から出た指先が閉じて開いてを繰り返している。 それなら私も着てみたい。広がった袖のデザインに言葉にできない優美さを感じる。見たこともない衣服にソフィアの心も揺れていた。 「それにしてもカオリが剣を振り回しているのがちょっとびっくりだよねぇ。しかも自警団の戦力だっていうんだから驚きだよ」 「まあまあ。それよりモニカさんの遺品って他には残っていないんですか?」