「ソフィア! 怪我は?」 ダンクスはソフィアの肩を抱いて真剣な眼差しを向けてくる。 その表情を見ていることがなんとなく気恥ずかしくて、ソフィアは目を逸らした。 「いえ、かすり傷です。これもカオリさんのおかげですね」 ソフィアが視線をやると、カオリは自身の顔を指さしてぶんぶんと首を横に振った。 「あんた、カオリさんて言うのか。めずらしい名前だな。うちの後輩を助けてくれてありがとう。礼を言うぜ」 「そんな、お礼なんて。あんな怖そうなトカゲが出てきたら戦うか逃げるかしないと」 「まあ確かにな。それにしても、あんたいい剣捌(さば)きだったな。見かけによらない強さだったぜ」 カオリはふふっと笑った。儚い花に灯る命のように、優しく美しい笑みだった。 「よく言われます。こう見えて剣道は段持ちなんですよ」 「剣道……それはつまり剣の腕を示すものか」 「そうですそうです…………って、あーーーーーっ!!!!」 カオリは突如目を見開いて大きな声を上げた。なにか重要なことに気づいたらしい。 早くも世界の違いに気づき始めたに違いない。 「私が転生したって、つまり私ってもう死んでるの!?」 「…………」 「…………」 (第1章 終わり)