夏の滴を共に
今月に入って太陽が沈む時間が延びたように感じる。
由梨菜ら学生は、教室内でも額に滲む汗を拭いながら授業を受けていた。
「あっついわねぇ〜!」
「本当。水分補給を忘れずにしないと倒れてしまいそう」
「そうだね」
そうすると生徒たちの話題は、自然とこれからの夏をどう過ごすかに偏ってくる。
「今年はどう過ごすか予定はあるかしら?」
「まだ決まってないかな」
「私はベルメールさんの畑の手伝いがあるわ」
「あのみかんのとこだよね?美味しかった〜!」
「ありがとう」
「またお手伝い行ってもいいかな?直接お礼言いたいし」
「健康的ね」
「アンタ大丈夫?バイトもあるんでしょう?」
「大丈夫。バイト先にお休み貰ったし、御祖母ちゃんがテストの出来が良かったからってお小遣いくれたの!」
ピースサインで笑う由梨菜にナミとロビンはつられて笑う。
「ロビンは何処か行きたいところある?予定合わせて遊ぼう?」
「そうね…。知人が今度海の家をやると言っていて」
「わぁ!すごいね!」
「お店に来たら割引してくれるって」
「行くわ!」
元気よく返事するナミ。
「お気に入りのTシャツ着て行こうっと」
「…それ作業用の服よね?作業用の服よね?」
「え?虫刺されになるから作業用の服は長袖だよ」
前着ていたTシャツに大きな文字で"粘り気"と書いてあるのを思い出した二人は、あり得ないといった表情で由梨菜を見た。
「夏休みお出かけするのなら、その前に一緒にお買い物に行かない?」
「えぇ?でも買った洋服はまだ新しいし」
「高校生活よ?青春よ?今しかできないことだってあるのよ?」
「私は水着を新調したいわ」
「「ということでオシャレしましょう」」
「は、はい…」
熱いまなざしと勢いに由梨菜は首を縦に振る。
ルフィやゾロなどいつものメンバーも話に加わり、あっという間に予定は立てられた。
海でやりたいことなど遊びに関しての意見は通ったが、服や水着など服飾品の購入に関することはロビンとナミに仕切られてしまい。その手際に彼女は「ア、ハイ」としか返事できなかった。