盛夏満喫計画〜そのA〜
放課後。
今日学んだ教科について日誌を書き、担任に渡し終え戻ってくると。"それ"は自身の机に置かれていた。
「何これ?誰の?」
「あら、もしかして…恋文?」
女子が騒ぎ出し、俄かに教室内が騒がしくなる。
他人が誰々に渡した渡されたと話しているのを聞いたことはあるが、まさか自分が贈られるとは思ってもいなかった。
(困るな…)
「これ、名前が無いわ」
「え?本当ね」
「送り主は恥ずかしがり屋なのかしら」
「教室に入ってきた人、誰か見た?」
ビビの言葉に、教室に残っていた数人が首を横に振る。
「イタズラ?」
「えぇ〜?どうかしら〜?」
「うぅん…恥ずかしかったとしても、名前を書かないならせめて直接渡してくれないと。本気か疑わしいわ」
「それもそうね」
入学祝いにと、祖母の上司にあたる方に買ってもらった学生鞄に"それ"を突っ込む。
「なんか疲れた…」
「残念。逃がさないわよ!」
「後で詳しい話を聞くって言ってたでしょう?」
有無を言わさぬ微笑みをもってナミが手を引く。
もう片側にするりとロビンが立てば、由梨菜にもう逃げ場はない。
心配そうに此方を見るビビも誘い、四人は学校を出て行った。