大勢の人が集まるホテルのとある一角。貸切られた宴会場。
もういい年をしている自分が誕生日などと言っていたが、兄妹の笑顔の祝辞は笑って応える。
そんな本日の主役シャーロット・カタクリは、中々眉間の皴を緩めなかった。
それは煌びやかな照明の明かりか、贈られたプレゼントという名の媚のせいか。
「…」
「そんなに拗ねんなよカタクリ」
「愛しのなまえちゃんが来てくれなかったからって」
三つ子として同じ誕生日を祝われているオーブンとダイフクはギロッと睨まれた。
酒が入ると途端に絡んでくる二人に溜息を吐きつつも、彼は否定しなかった。
「喧嘩したのか?」
「愛想尽かされたのか?」
「今、お前等への愛想が尽きそうだ」
「ははははは!」
酒が入っている今なら、箸が転がっても笑うだろう。
肩を組んでぎゃあぎゃあ騒ぐ二人。
「誕生日おめでとう。カタクリ」
「ぺロス兄。ありがとう」
「まったく…こいつらときたら。デリカシーが足りないぞ」
「だってよぉぺロス兄〜」
「あの真面目ななまえチャンが来ないって、よっぽどだぜ?」
「フム……」
四人でスクラムを組んだ姿に周りは興味津々だが、そこは触れさせないのがC家の掟。
下の兄弟達が来賓(外部)を遠ざけていた。
「自分を場違いかと思ったか、サプライズを用意していたのでは?」
不安げな弟の顔を見てか。ペロスペローは考えを口に出した。
「は?場違い?」
「サプライズ?」
「あぁ。実は彼女が誕生日について聞いてきて…毎年大勢著名人が祝いに来ると言ってしまった。彼女はその時顔色を悪くしていてな。二人きりで誕生日を祝うならサプライズと思ったんだが…。それならカタクリの申し出を断ったのにも説明がつくだろう?」
「なるほど」
「え?一人で準備なんて健気じゃないか。感動して俺泣きそう」
「なまえ…!」
「でも場違い…?なぁカタクリ」
「何だダイフク?」
「お前、来て欲しいつった時ドレスの話振ったか?贈った?一緒に選ぶとかも…」
来賓の姿を見つつ質問したダイフクに、カタクリは固まった。
「してない…」
「この朴念仁!」
「あぁあああ!!」
「だからだぁあああああああ!!」
三人で頭を抱えたところで長兄から杖でぶん殴られ、カタクリは額を押さえた。
「今すぐ謝りに行ってこい!」
「あ、あぁ…」
「仲直りするまで帰ってくるんじゃありません!!」
「あぁ!」
嬉しそうな返事をし会場を出て行った弟に三人は汗を拭った。
「まったく、世話の焼ける弟だ」
「いやぁ。あの子のことになるとホント面白くなるよな」
「いいじゃないか。楽しそうだし、幸せそうだし」
「そうだな。お前達も良い人を見つけなければな?」
「「さ〜て今日は飲むぞぉ!」」
「聞けーーっ!」
一時場は騒然としていたが、他の三人が気にしていない様子に、徐々に会場は元の明るい雰囲気を取り戻した。