It’s between you and me.
昨日、告白された。別に好きでもないけれど、すごく真っ直ぐで、顔を真っ赤にして好きだと言われたから、ちょっと可愛いと思った。
取り敢えず一回、デートしてと頼まれたから、承諾した。いつまでも亮に執着しているわけにはいかないと思ったから。
朝方、後ろから私のお腹に回った手に驚いて振り返った。すぐ傍にある亮の寝顔を見る限り、今部屋に来た感じではない。いつからここに居たんだろう。
小さい頃からよく一緒に寝ていた。
今でもたまに、こうして勝手にベッドに入っているからタチが悪い。
何かあると思っているわけではないけれど、やっぱり気にする。亮に対して少しだけ、変な感情があるから。
しかも、コレ。
私で反応しているんじゃないことはわかってる。けれど、いくら無意識だからといって、反応したそこを私に押し付けて来られたら、それはもう、ドキドキどころじゃない。
それでもこうして抱き締められるのが少し幸せだ、なんて思ってしまう私は、本当にダメな奴だと自分で思う。
「...亮。起きる時間だよ」
腕を解いて肩を揺すれば、眉間に皺を寄せ唸った。別に遅刻を気にするタイプではないから起こさなくてもいいけれど、もしお母さんが来たりして私のベッドで寝ているのを見られたら、...何となく気まずいから。
「...寝るなら部屋戻ってよ、...着替えるし、」
『...んー...』
「 亮 」
『..........。』
一向に起きる気配がない亮に溜息をついて、制服に着替える。一応、亮がいることを気にして振り返れば、開ききっていない目で亮がぼんやり私を見ていた。慌てて制服を羽織って振り返ると、亮の目はもう閉じられていてまたスースーと寝息が聞こえる。
...びっくりした。亮は私の下着なんか見てもどうってことないだろうけど、見られる私にとってはかなり気にすることだ。
もう一度揺すってから
「私学校行くからね」
と声を掛けたら、パチっと亮の目が開いて私を見たから驚いた。
ベッドについていた手を掴まれ、もう片手で背中に腕を回して引き寄せられて亮の上に倒れ込んだ。
何、これ。抱き締められてるんだけど...どうしよう。
「ちょ、何すんの、」
『...行かせへん』
「...え?」
『あいつの事、好きなん?』
「...え、なに、」
『...付き合うん?あいつと』
.
見られていたなんて、思ってもみなかった。驚いて黙ったまま亮を見ていたら、亮が呟くように言った。
『...嫌や、...行ったらあかん、』
背中にあった手が首の後ろに回され、引き寄せられキスをした。いきなり舌が絡められたから咄嗟に亮の胸を押した。
『...行かないんやったら、離す』
もう、何が何だかわからない。戸惑うばかりで言葉が出て来ない。
亮は私をじっと見つめたまま目を逸らさないから、余計に頭が働いてくれない。
『...付き合お、とか言うの、おかしいやろ?...ならどうしたらええねん、』
「...だって、」
『...だって俺ら、ほんまは、』
「...それは言ったらダメだって、お父さんに言われたでしょ、」
亮が睨むように私を見つめた。
また縋るように抱き締められて首筋に顔を埋めたあと、今度は眉を下げ啄むように何度も唇を重ねられる。
『...何泣いてるん、...嫌なら、逃げて』
「............、」
『...わかるで、相方やし。今、好きって、思ってんねやろ?』
何も言えなかった。けれど、代わりに亮の首に腕を回して顔を埋めた。
私の背中を摩りながら、亮が多分笑っている。
『...なあ、どうしよ。めっちゃ幸せ』
「......私も」
『もっと嬉しそうにしろや!』
「...だって、」
私をベッドに押し付けて私の上に乗った亮が、だらしなく笑っている。けれど、今はそれさえも幸せだ。
お父さん、お母さん、ごめんなさい。
『...学校、行く?』
「...行かなーい、」
『...行く?』
「行かないってば、」
『...絶対行かせへんで。とかかっこよく言おう思たのに!』
「じゃあ行く」
『...え、』
「ダメじゃん!」
笑った私を見て、安心したように亮も笑った。きっと同じ気持ち。嬉しいけれど、罪悪感は拭えない。
自分でもわかる程、大事なものを扱うように優しく抱き締められたから、罪悪感を胸の奥に隠して何度もキスをした。
End.
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