euphoria


隣の錦戸さん。


深夜0:30。コンビニ。
籠にはビール。

会計を済ませ外へ出ると、急に手を掴まれビクッとして振り向いた。

「...なんだぁ、錦戸さんかぁ...」
『なんだやないでしょ。こんな時間に何やってるんすか、』
「ビールを買いに来ただけですよ」
『夜中に?』
「ええ。」
『女の人が一人で歩く時間ちゃいますやん』
「だって飲みたかったんだもん」

隣の錦戸さん。引越しの挨拶に行った時に顔を知って、たまたま通勤途中で電車が一緒になったりしたことで仲良くなった。...ちょっとかっこいい。

二人並んでマンションまでの道のりを歩いていると、あたりを見回した錦戸さん。

『ほんま、この辺真っ暗やから気を付けんと』
「ですよねー」
『...危機感なさ過ぎるやん』
「今まで大丈夫だったし、これからも気を付けます」

眉間に皺を寄せた錦戸さんが私を見た。だから首を傾げると、突然手を強く掴んで引っ張られ、路地裏の壁に押し付けられた。私の顔の横に手をついた錦戸さんの顔が近い。息が掛かってドキドキする。

『急にこんなんされて、逃げられる?』

唇がさっきより近付いたから錦戸さんの肩を押した。けれど、全然動かない。

「ちょ、錦戸さん、っ」

ちゅっと音を立てて頬に触れた錦戸さんの唇。すぐに離れていって錦戸さんの目がまた私を捉えた。

『#name2#さん、簡単に襲えそうっすね』
「そんな、」
『俺じゃなかったらヤられてるかもしれんで?』
「...........、」
『...や、俺の方が危ないかも。...好きやから、手ぇ出してまいそう』
「え!ちょ、ちょっと、!」

笑いながら言った錦戸さんに、慌てる私。また私の近くまで歩み寄って来た錦戸さん。

『今度から、夜中は必ず一緒に行くとか、どうすか。俺と』
「い、一緒に、?」
『俺以外に襲われたら困るんで』

さらっと告白のような言葉を口にした錦戸さんに、ドキドキが止まらない。

『とりあえず、次コンビニ行く時、俺ん家寄ってもらえます?一緒に行くか、もしくは俺と付き合うか、選ばしたるわ』

どっちにしてもコンビニには一緒に行かなければいけないらしい。
勝手だ。勝手な言い方だけど、きゅんとした。
頬を染める私を笑う錦戸さん。

遅かれ早かれ、恋が動きそう。

「...じゃあとりあえず、家...上がって行きます、?」
『喜んで。...あ、#name1#。好きやで』


End.

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