euphoria


隣の村上さん。


さ、寒い...!私の鍵は一体どこへ行ってしまったんだろう。
帰宅して家の前で鍵を探すけれど見つからない。バッグを広げて、ポケットを漁って探したけれど、ない!
かれこれ20分。しかも今日に限って極寒!し、死ぬ...!

『何してんの?』
「...は!む、村上さん!」
『鍵、なくしてもうたんか?』
「そ、そうなんです...」
『流石に管理人は居らんやろうから、アレ、電話しいや。鍵の何とかいうやつ?』
「...そうします、」
『おん。お大事にー』

さらっと部屋に入っていった村上さんを見届けて溜息をつく。緊張した!せっかく久し振りに会えたのに鍵の話って!...まぁ、会えただけでマシかぁ。

「ぶぇくしょーいっ!」

派手なくしゃみをしながら携帯を取り出して電話番号を検索する。けど、手がかじかんで上手く動いてくれない。

『#name1#』

突然扉が開いて村上さんが顔を出した。今#name1#って言った?いつの間に呼び捨て!!
一人でテンションをあげていると、村上さんが私の顔を見て笑った。

『鼻、垂れてるで!』
「え!う、うそ!」

慌ててバッグの中を漁ってティッシュを探していると、村上さんが言った。

『しゃあないから上がってええよ。風邪引きそうやん、自分』
「えっ!」

思わず振り返った私に、村上さんの手が触れた。というかどつかれた。
『はよ鼻拭かんかい!』

それでも幸せ!!

村上さんに促されて部屋に入ると、開かれたパソコンには鍵やさんのHPが。私が感動していると、村上さんが電話を掛け始めた。私の代わりに住所を告げて手配してくれている。

『あ、そうですかー。ほんなら明日でいいですわ。はーい』

電話を切った村上さんが
『一時間以上掛かる言うから明日にしたで?』と言った。

「え?...じゃあ今日、」
『泊まってええよー。手ぇ出さへんし』
「......そう、ですか、」
『出してもええなら出すけどー?』
「!!」

あははと大声で笑う村上さんとは逆に、ドキドキして黙ってしまった私。
そんな私を見て村上さんは私から目を逸し、落ち着き無く腰に手をあてながら言った。

『...なんなら、ずっと居ってもええけどな。...#name1#が良ければ、』


End.

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