euphoria


続・隣の渋谷さん。


『...も、無理っ...、あっ、』

隣の家から聞こえる大音量のAV。
お隣さんは渋谷さん。職業、アイドル。
私の彼です。

ピンポーン。
『...あーい。...あ、#name1#、』
「渋谷さんっ!音がデカいってば!」
『この前言われたから、ちゃんと玄関開ける前にAVとめたで、』
「そんな問題じゃなくて、」
『...妬いてんねや、』
「じゃなくて!今、夜中!」
『...やって、#name1#、全然来えへんやんか、...それと、そろそろ渋谷さん呼びやめへん、?』
「い、今取り込み中なの!」

拗ねたような顔をした渋谷さんが、私の手を掴んで軽く引いた。

『少しは構ってくれや、』
「ごめん!今日はダメなの...、明日!」
『今日も明日も、』
「今日は...ごめん!」
『.............、』

へこんだような、拗ねたような顔をした渋谷さんを残してドアを閉めた。
ごめん!明日まで、待っててね。

ピンポーン。
あれから30分、インターホンが鳴った。
こんな夜中だ。渋谷さんしかいない。
どうしよう。部屋、入られたら困るしな...。

「...はーい、」
『...これは何ですか、』

渋谷さんが指差したのはドアに掛けられたチェーン。だって今はうちに上げるわけにはいかない!

「...チェーン、かな?」
『...なんや、ほんまに嫌なんや、』
「...え、違うよー...」
『全然会ってなかったのに、部屋にも来てくれへんし入れてもくれへんのやから、嫌なんやろ、』
「...ち、違うよ、渋谷さ、」

私に背を向けて部屋へ帰ろうとするから、急いでドアを閉めてチェーンを外した。ドアを開けて追い掛け渋谷さんの手を掴んだ。
振り返った渋谷さんがニヤっと笑ったかと思うと、逆に腕を掴んで引っ張られ、私の部屋に押し込まれた。

「あー!ちょ、ちょっと、!」

制止の声は、壁に押し付けられて渋谷さんの唇に飲まれて行った。頭を押さえて舌を絡められ、頭がぼーっとする。

『...そろそろ、ヤろ。...めっちゃ我慢しててん、』

実はまだ、渋谷さんとシたことがない。
隣りに住んでいるわりに、ツアーやロケやと家を開けていたため、あれから殆ど会っていなかった。だから呼び方も渋谷さんのまま。

返事をする前にまた唇が触れ合って、息も出来ないほど深いキスが始まった。渋谷さんの手が身体を這う。
あー...ダメだ、気持ちいい。

いつもの渋谷さんと全然違うからドキドキしてしまう。
体を撫でる手と、渋谷さんの世界に引きずり込まれるようなキスに、体が勝手に反応していく。

唇が離れると舌が耳や首筋に這って、思わず身体がびくりと揺れた。

『...シよ。...あかん、?』

ここまで持ってきてから聞くなんて狡い。もう断るなんて出来ない。

「...する、」

すぐにまた唇を押し付けられて、壁に背を預けた。渋谷さんの手が服の上から胸を包み込んで優しく愛撫する。
キスだけでびっくりするくらい感じて、胸に触れられただけでこんなに気持ちいいと思ったのは初めてだ。

渋谷さんの手がゆっくりと裾から入って来て、身体を撫でながら胸に到達するとさっきより激しく包み込んで愛撫する。先端に触れた指に声が漏れると、色気たっぷりの顔をした渋谷さんが私を見て口端を上げた。この人、本当にあの渋谷さん?絶対別人!

ブラを服と一緒に捲くられて先端が渋谷さんの口内へ導かれると、電気が走るような快感が身体を駆け抜けた。
パンツのジッパーを下ろし、下着の上から撫でられ、腰が揺れる。

『...パンツ、すごいで』

笑いながら下着の横から入ってきた指が突起を捉えてグリグリと押すから、高い声が漏れて体が揺れた。

「...っ渋谷さん、外、聞こえるっ、」

玄関だということはわかっていても、声が出てしまうのだからしょうがない。

『...もうちょっと。...我慢してる顔て、めっちゃ好き、』

言ってすぐにいきなり下に3本も指を埋め、突起を押し潰した。腰は渋谷さんの片手で支えられ、はじめてするのに、私の感じる場所を全部理解しているんじゃないかと言うくらい的確に刺激して、確実に高められる。

唇を噛んで声を我慢していると、キスを落とされ離れた唇から声が漏れる。
そんな様子を渋谷さんは楽しそうに余裕たっぷりで見ていた。

『...こっち?こっちの方がええの?』

どっちでもいい、というか、どこを触られても身体が反応して困る。渋谷さんはそれでも、より感じる場所を探したいらしく、場所を変えては私の反応を見てしつこいくらいに攻めてくる。
苦しいくらいに息が上がって崩れ落ちそうだ。

だんだんと激しさを増すその動きにしがみつく。膝が震えて立っているのがやっとだ。

キスをして舌を絡め吸い上げる。舌も愛撫されているかのように気持ちがいい。渋谷さんの指が中を掻き回して突起に触れた瞬間、強い快感が襲って崩れ落ちた。

私を抱き上げてベッドに下ろした渋谷さんが、自分で服を脱いでから私の体をじっくりと見ながら脱がせるから恥ずかしくて顔を逸らす。
そんな私を笑った渋谷さんを横目でチラリと見ると、普段では絶対見られない妖艶な雰囲気が漂っていた。

渋谷さんの顔が私の前に来て、二人の胸がぴったりとくっついた。髪を撫でながら
『...挿れていい?自分で挿れてみる?』
なんて聞くから首を横に振ると、笑ってゆっくりと中に入ってきた。

擦れる感覚に背中が仰け反ると、背中の下に入った腕でしっかり抱き締められた。

『...あー、#name1#ん中めっちゃ気持ちいい、...我慢した甲斐、あったわ、』

ゆっくりと動きながらキスをして舌を絡める。渋谷さんのキスはなんでこんなに気持ちいいんだろう。

唇が離れて体を起こした渋谷さんは、また私の身体を探るように角度を変えて何度も突き上げた。

『...#name1#のええとこ、はよ覚えたろ思て、』
「...でも、っあ、...」
『...なに、』

言っているうちに電気が走ったような快感に身体が跳ねた。ちょっと驚いたような顔をした渋谷さんが笑った。

『...早っ、まだ挿れたばっかやんか、』
「...だって、っ渋谷さんが、」
『こういう時の“ 渋谷さん ”はええなぁ。ムダにえろい、』

一度律動を止めた渋谷さんがまた動き出した。イったばかりなのにまたさっきの場所に当ててくるから、大きな声が出て足ががくがくと震える。

腕を掴むと、私の頭を撫でてキスを落とした。私の腰に腕を回して抱き締めた渋谷さんが、腰をグラインドさせて奥を抉る。渋谷さんの熱くなった吐息が私の胸を掠めて、それだけで感じてしまう。

一度耐えるように顔を歪めた渋谷さんが、腰を押し付け奥を突き上げたから、私の中がひくひくと反応を始めた。

『...イく、?』
「...ん、っあ、」
『...“ すばる、イっちゃう、”って言うてみて、』
「...ばか、っ」
『...#name1#、っ俺もイきそ、やから...はよ言うて、』
「...っ、すばる、イっちゃうっ、」

たまに渋谷さんの変態っぽい部分が顔を出す。それでも目を開ければ、思いのほか優しい笑顔で私を見ていて、散々探った私が弱い場所を激しく突き上げた。声も出せないうちに身体が震えて背中が仰け反った。
少しして私から出て行った渋谷さんが、私のお腹に吐き出した。


『水とか、ある?』
「...冷蔵庫、」
『...そんなよかった?』

目を閉じたまま返事をした私に、渋谷さんが言った。目を開けて睨むとニヤリと笑っていた。

キッチンへ向かった渋谷さんが、
『...え、...あ、』
と言って固まっていた。
あ、すっかり忘れてた。

『...だから明日、言うたんや、』

キッチンには、渋谷さんちのAVを聞きながら焼いたハート型のスポンジと、ちょっとビターなチョコレートクリーム。
明日はバレンタインだ。

「あーあ、見ちゃった...。だから家、入れたくなかったのにー、」
『...そんなんわからんわー、...#name1#冷たいんやもん、』
「びっくりさせたかったのー...」

私をちらっと見てから、チョコレートクリームを指で掬ってつまみ食いした渋谷さんが、水も取らずに戻ってきた。
ベッドに乗り上げてキスをしたら、チョコレートの味がした。

『...めっちゃ愛されてるやん、俺、』
「...当たり前、」
『...もっかい、シよ。...クリーム塗ってみたり、』
「変態!」

渋谷さんがしゅんとしている。可愛いなぁ。完全にいつもの渋谷さんに戻ったみたいだ。

『...はよ知りたいやんか、#name1#の身体、』
「...ゆっくりでいいよ。身体がもたない、」
『...めっちゃ気持ちくして、俺から離れられへんようにしたいねん、』

すごい殺し文句だな、渋谷さん。
私はセックスで人を選んでるんじゃないのにな。けど、それはまだ言わないでおこう。
きっと体とかじゃなくて、一緒に居れば必ず伝わるはず。
だってもうすでに、離れたくないんだから。


End.

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