euphoria


Black2/2




インターホンが鳴ってドアを開けると、横山くんが立っていた。びっくりして固まっていると、私の顔をちらりと見てから辺りを見回した横山くんが、遠慮がちな声で言った。

『...#name2#さん、明日の事なんやけど、』

それ、もしかして芝居?ドラマではもっと上手じゃない?なんかホントそれ、多分意味が無いと思う。

「...なんでしょうか、」

一応ノッたら、もう一度廊下を見てから部屋へ入って来た。
二人で立ち尽くしていると横山くんがまた私をちらっと見た。

『...ヤスが、スッピン見て来た言うから、...俺も見とかな思て、』
「...え、そんなんで、...来たの?」
『...いや、冗談に決まってるやん』

顔を赤くした横山くんが、こっちに歩いて来たからちょっと身構えた。自分の部屋と変わらないはずなのに、置いてあるインスタントのコーヒーやお茶を無駄に眺めている。

『...今日は怒らへんのや?』
「え?」
『この前家行っただけで怒られたやんか』
「...ああ、そうだね、」
『なんで?』
「え、」
『なんで今日は怒らへんの?』

なんでだろう。そう言われても、ちょっと困る。この前一回家に上げてしまったら、前ほど気にならなくなったのは確かだけれど、それが当たり前になってしまうのも心配だ。
俯いていたら、視界に横山くんの靴が見えて顔を上げた。

『...待ってた、とか、言うてくれへんの?』

見つめられて目が離せないでいると、横山くんの唇が優しく触れた。すぐに唇が離れて引き寄せられると、胸に顔がくっついた。横山くんの鼓動が凄く早い。

『...俺は、会いたかったんやけど』
「......私も、」

横山くんがベッドに座って手を引かれた。隣に座るとまた唇が触れて舌が入り込んで絡められる。そのままベッドに押し付けられて、服の中に手が入ってきたから、少し焦った。
軽く肩を押すと、唇が離れてすぐ近くで見つめられる。

「...横山くん、」
『...侯隆、って呼ばんと聞かへんで』
「......侯隆、」
『...何?』
「隣、#name3#さんの部屋だから、」

意味有り気に含み笑いして俯いた侯隆が『それは大丈夫ちゃう』と言った。
何が大丈夫なのか全くわからないけれど、唇を塞がれて胸を包み込まれたら何も考えられなくなってしまった。



『...我慢してるん?声、』

腰を揺らしながら、侯隆が頭を撫で顔を覗き込んだ。
愛撫されている時から何度も口を押さえている手を退けられている。

「...っん、だって、っ」
『隣、うるさいな。...テレビ』
「...え、っ、なにっ、」
『...あっちも同じやで、多分』

え、まさか、と思ったと同時に不意打ちで激しく突き上げられ、思わず大きく声が漏れた。楽しんでいるみたいに口端を上げている侯隆が、腰をグラインドさせながら奥に押し付ける。

『...っ心配せんでも、聞こえんやろ、っ』

気になるなら塞いどいたる、と付け加え、唇を塞がれた。そのまま早くなった律動に、侯隆の背中を抱き締める。それに応えるようにもっときつく私を抱き締めた侯隆がスピードを上げて快感を煽った。
篭った声が漏れると、キスをしたまま侯隆が笑った。

『...我慢してんのもエロいな』

少し離れた唇に吐息がかかって、顔を歪めた侯隆も耐えるような声を漏らしたから、ますます体の奥が熱くなった。

『...俺の声に感じてどうすんねん、っ』

笑いながら再び舌を絡める侯隆が、酷く妖艶な雰囲気を放っていて、その顔に見つめられながら快楽に溺れた。


End.


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