Orange2/2
ホテルとは逆方向に歩き出した隆平が、路地裏に入って私の手を取った。
『少しだけデートしよ!』
振り返って笑った隆平が通りに出る時には手は離した。けれど、路地裏に入るとまた繋がれる。そんな些細な気遣いが途轍もなく嬉しかった。
「まだ結構人いるね」
『週末やもんなぁ。デート言うより散歩やったな』
「立派なデートだよ」
隆平はその言葉に照れ臭そうに笑っていた。ほんの10分程でデートを諦めて、ホテルに向かって歩き出した。
『...あのさ、部屋、...寄っていい?』
「...大丈夫かな、」
『様子見てさ!ダメやったら諦めるし!...せっかく泊まるんやし、少しでも一緒に居りたいねん』
顔が赤くなって頬を押さえると、隆平が笑って顔を近づけた。
『...あ、さすがに外はダメやんな。...部屋まで待ってな』
何だかぎこちない空気になった。二人とも意識してしまったのは明確で、ドキドキしながら部屋へと向かう。
「先、行くね」
隆平が何度か頷いたのを見てから、わざと別々に部屋へ入る。すぐにインターホンが鳴って隆平が入って来た。
『めっちゃドキドキするな!』
楽しそうに笑いながらベッドに腰を下ろした隆平が、私を手招きして呼ぶ。
鼓動が一気に大きくなって、ゆっくり隆平に歩み寄ると、隆平の膝を跨いで上に座らされた。
『...やっとやな、』
見つめられて優しい笑顔が向けられた。すぐにゆっくりと近付いて来た唇が啄むようなキスを落とす。
キスをしながら背中に腕が回り、ベッドに倒れ込んだ。下から隆平に見つめられ、逆にベッドに押し付けられる。
頭を撫でながらキスを落とし、侵入してきた舌に愛撫されて目を閉じた。
『...唇、痛なるで、っ』
声を我慢するために噛んだ唇に舌を這わされて、そのままこじ開けられ舌を絡める。口内を刺激され、わざと口を塞ぐように合わせられた唇が、苦しいけれど快感を煽った。
『...イく、っ?ええよ、っ』
抱き締められて労るみたいに腰を撫でられ、なのに激しく突き上げられてもうおかしくなりそう。
口調や触れる手は優しいのに、確実に私を高める術を知っている隆平は、いつも少し意地悪だ。
じわりとかいた汗で張り付く私の前髪を払って額にキスを落とすと、奥を抉る様に腰を押し付けた。
悲鳴のような高い声が漏れ、それを笑った隆平が絶えずそこを刺激する。
奥を突かれながら首筋に降りてきた唇が、服を着て見えるか見えないかの際どいところをきつく吸い上げた。まずいよ、と言おうと首を横に振るけれど、快感で漏れてしまう声以外言葉は出てこない。
『他に6人も居んねんで、っ、...手ぇ出されたら困るやろ、っ』
やっぱり一番女心をわかっていると思う。嬉しくて幸せで、好きだよと伝えたかったけれど、言わせてもらえなかった。
すぐに唇を塞がれ激しく突き上げられて身体が跳ねた。
それでも終わらない律動で激しい快楽の中、きつく抱きしめられて、全身で愛していると言われた気がした。
End.
- 16 -
*前次#
ページ: