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すぐに下着とスカートを剥ぎ取り早急に自身を埋めると#name1#の体が仰け反る。ゆっくりと腰を揺らして見つめれば、口元に手の甲を当てた#name1#が文句でも言いたげな顔で俺を見ている。
『今度はなんですかぁ?』
「.............、」
『...あぁ、そゆこと』
「........え、?」
『物足りないってことな』
違う、という#name1#の声は俺が唇で奪い取った。急に早めた律動のせいで、合わさった唇から小さく声が漏れる。それさえも閉じ込めるように深く舌を絡めながら奥を突き上げると、背中に回った#name1#の手が俺に必死でしがみつくから、次第に満たされていく支配欲。嫉妬とは別物だと思っていたけれど、案外そうでもないみたいだ。
それでも、やっぱり変わらない。愛されているとわかってはいても、よりそれを感じたくてこうしてしまうんだ。
『...なぁっ、目、開けろや、っ』
薄く開いた目がしっかりと俺を見つめている。顔を歪めながらも俺に向けられる視線が、ますます愛しさを募らせる。
抱き起こしてそのまま上に座らせれば、より深く繋がって#name1#の口から熱い溜息が漏れた。それが耳元を掠めて自身がひくりと反応する。腰を突き出して抱き締めた体を下へと押し付けると、#name1#の体がぴく、と揺れた。少し上にある#name1#の顔を覗き込むように見つめながら僅かに腰を揺らす。
『...まだ?』
「......え、?」
『動いてくれるの、待ってんねんけど』
若干眉間に寄った皺を見て思わず笑うと、ますます不機嫌そうに#name1#が目を逸らす。けれど、俺の首に腕を回して髪に顔を埋めると、完全に顔を隠して腰を揺らし始めた。そのぎこちない動きは俺にとっては物足りないけれど、愛を感じるのには充分過ぎる。
頬から胸を擽るその髪を撫でて一緒になって緩く腰を揺らしてやると、小さな喘ぎと共に震えるような吐息が首筋に掛かって煽られる。
俺にくっついた体を引き剥がして上を脱がせる。下着を取って胸の膨らみを包み込みながら首筋に舌を這わせた。すると俺のTシャツを引っ張るからされるがままに脱がされて、また#name1#を見上げると密着するように抱き着いてくる。
...毎回思ってる。いじめるの、ちょっと控えたろかな。だけど女と絡むな言われてもそれは無理なことやし、第一俺にそんな気ないから、何心配しとんねん思うやん。けど、こうやって控えめながらも求められると、めっちゃ満たされる。
『...なぁ』
ベッドに体を倒しながら声を掛ければ、薄く口を開いたまま#name1#が黙って俺を見た。額の前髪を払って見つめると、不思議そうに俺の言葉を待つ。
『...嫌い、...って、思たやろ』
目を丸くして見つめるから、ふっと笑って軽いキスを落とし律動を再開した。
『...ま、ええわ』
僅かに顔を歪めながらも俺を見るから、その顔をもっと歪ませたくて強めに打ち付ける。...なんて、途中で照れ臭くなっただけ。誤魔化すためにそうしただけ。
体を起こして、声を上げた#name1#の腰を掴んで奥へ打ち付けた。それでも必死に何か訴えるように俺を見ようとするその目に笑顔を向けて、押し付けるように奥を抉る。#name1#の中がひくりと収縮を始めたから性急に好きな場所を刺激してやる。
上がる息に混じって小さく漏れた俺の声を聞いて#name1#が手を掴んだ。#name1#の体がほんのりと赤く染まっていくのを見ていたら中がぐっと締まって耐え切れず引き抜き#name1#の上に吐き出した。
#name1#の隣へ倒れ込んで、荒い呼吸を整えるように一度大きく深呼吸した。シャワーに行こうかと思ったけれど、#name1#が目を閉じたまま、まだ胸を上下させて呼吸していたから横から抱き寄せる。首筋に顔を埋めれば、より強くなった#name1#の香りに安堵して目を閉じた。
息が苦しくて寝返りをうったら、後ろからお腹に腕が回って背中に顔が擦り寄る。
目を開けてみれば、カーテンの隙間から漏れる陽射しで昼に近い時間だろうと予想した。
がっちりホールドされている上に背中に章ちゃんがくっついているから時間を確認出来ない。
「...章ちゃん」
『..............。』
「......章ちゃん」
章ちゃんの髪が私の背中を擽るように動いて、お腹の前の腕が緩んだから振り向く。すると肩をぐい、と引かれて回転させられ、今度は正面から抱き寄せられた。
“...嫌い、...って、思たやろ”
急に昨日の言葉を思い出した。どういう意味かはよくわからないけれど、昨日の私の行動が章ちゃんを不安にさせてしまったんだとしたら。
胸に顔を埋めた章ちゃんが『...はよ、』と消えそうな声で挨拶をしたけれど目は閉じられたまま。
「おはよ」
目の前の髪に触れてみれば、ゆっくりと目が開いて私を見上げた。ぼんやりと私を見つめていると思ったら、急に距離を縮めた唇にキスを落とされ、ゆったりとしたキスが繰り返された。
『...何時、』
「わかんない」
『携帯...』
「持って来る?」
『...どこ』
「ソファーかな。昨日...」
体を起こしたら腕を掴まれて章ちゃんが私を見上げる。そのまま腕を引かれたから布団の中へ戻ると、また首筋に顔を埋めて章ちゃんが抱き着いてくる。
「...どしたの、」
『...んー』
「...んー、じゃわかんないよ」
『.......んー...』
「...“嫌い”って、なに...昨日の...」
章ちゃんが顔を上げてまた私に視線が戻る。まだどこか眠たそうな目。
『...別にぃ?』
「...何それ、...じゃあなんで...」
ふっと笑った章ちゃんが腰のラインに手を滑らせ、緩く撫でる。
『自分で仕掛けといて気にしてんねや?』
「...仕掛けたとかじゃない、」
図星だ。どこか罪悪感みたいなものがあったからこそ、章ちゃんの言葉が引っ掛かっていたのだから。
思わず目を逸らした私を見てまた笑った章ちゃんが、さっきみたいに首筋に擦り付くように顔を埋める。
『...腹立つねん。まるも、お前も』
耳元で低い声色で言われてドキリとする。すると章ちゃんが私の耳朶に甘く歯を立てるから、びくりと体が揺れた。
「...章ちゃんだって、」
『俺はええねん』
「...........、」
『興味あれへん。#name1#だけで充分』
言葉を失った私を鼻で笑って顔を覗き込んだ章ちゃんの唇が近付く。ゆっくりとキスを落としながら手がいやらしく腰を這うから小さく身を捩った。
「...章ちゃん、」
『...もっかいしよ』
「...待って、」
『待たれへん』
「...ちょ、待っ、」
腰を抱いた手が止まり章ちゃんが私を威圧的な態度で見る。
『好きにさしてくれてもええんちゃう』
「...え?」
『お前は俺のやねんから』
すぐに唇が触れて甘く舌が絡む。
...わかってる。いつもそういう人だった。遠回しだけれどちゃんとわかる。いつもこうやって不安を取り払ってくれるんだから。
髪を掻き乱しながら時折くしゃりと掴むその手に、ひどく愛されているように感じて胸が苦しい。私も負けないくらい、それ以上に愛しているのに、それを全て伝える術を知らない。
『好きにしてええの?』
「.........、」
『なんも言わへんから』
「......何してもいいわけじゃないよ、」
照れ隠しにそう言えば、笑っていた章ちゃんが笑みを消して私を見る。戸惑うほどやけに真っ直ぐ私を見つめるから目が逸らせない。すると急に近付いてきた唇が一度軽く触れて、息がかかる距離のまま章ちゃんが言った。
『傷付けるようなことはせぇへんよ』
またすぐに唇を合わてベッドに押し付けられ、章ちゃんが私を跨いだ。急に激しく深く絡み付いた舌が、まるで照れ隠しみたいで胸がきゅっと締め付けられた。
不安になることなんて何もないのに。わかっているのに振り回されて、いつものように愛されて、こうしてもっと好きにさせられて。これが章ちゃんの作戦なのだとしたら、章ちゃんは神様よりも遥かに偉大な演出家だ。
End.
S.
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