SADISTIC LOVEA
その名前を口に出してから、はっとして章大に目を向けたけれど、遅かった。私を見下ろす章大は、腰を揺らしながら口の端を上げて、思わず目を逸らした私の髪を掴んで無理矢理目を合わせる。
『はっ、...今、亮言うた?』
口元に不自然に浮かぶ笑みは不機嫌さを滲ませていて、ラグもないフローリングの上で私の中を突き上げるから、床に打ち付けられる。
『...お前ナメてるやろ?今は俺が相手してやっとんねん、っ』
膝の裏に手を入れて私の腰を浮かせると、上から私の奥まで挿し込んで抉るように腰を押し付ける。感じたことがない程奥まで突き立てられて、思わず声が漏れた。
「...痛、...章大、』
『...何?...痛いっ?』
顔を歪ませて頷く私を見下ろしながら、首を傾げた章大が押し付けていた腰を浮かせる。耐えるために止めていた息を吐き出すと、章大と視線が絡んだ。荒い呼吸を整えようと息を吸い込んだ私に向かって、章大が笑った。
すると、突然腰を掴まれ奥に打ち付けられると、そのまま何度も奥を突き上げられ息が詰まる。声も出せずに章大の腕を握ると、私の顔を覗き込んだ章大の髪の先からポタリと私の頬に汗が落ちた。
『奥が好き言うてたやんっ』
「っ、」
『“もっと”、やんなぁっ?』
声を発することも出来ず、ただ必死で首を横に振る私を、追い込むように早い律動が襲う。
こんなに酷くされているのに、繰り返される刺激に絶頂が迫る。章大の腕を強く握る手を振り払われると、私の上に倒れ込んだ章大が私の髪を撫でた。
律動を緩めて私を見つめるその切な気な表情にドキリとした。目が離せずにいると、荒い呼吸を繰り返す章大の唇が食むように唇に触れた。
離れるのを惜しむかのように私の唇を見つめながら体を起こした章大の目が私の目に移され、すぐにさっきまでの冷め切った表情に戻ったから息を呑んだ。
再び激しい律動が始まって固く目を閉じれば、頬をピタピタと手で軽く叩かれ目を開けた。
『...っおい、目ぇ開けとけや、っ』
眉間に皺を寄せて私を睨み付けるその色のない目は、普段の章大からは想像出来なくて改めて背筋がぞくりとした。
『目ぇ逸らすなや、っ俺見とけ言うとんねん、』
強い刺激に思わず閉じそうになる目を必死で章大に合わせると、章大が口の端を上げて言った。
『...次亮言うたら、中出したるからなっ』
咄嗟に睨むように章大を見れば、章大の眉がぴくりと動いた。
...けれど一瞬、ほんの一瞬だけ、さっきと同じ切ない表情を浮かべたから、何だか胸が痛くなった。
『...なんやその顔っ、』
「.............、」
『...あぁそうなんや、...なら出すでっ、』
俯いて笑った章大を見たのを最後に激しく突き上げられ、章大がどんな顔をしていたのかわからなかった。
ただ章大の腕の中で揺さぶられながら、何度も繰り返し呼ばれる私の名前に愛しさが込められている気がして、章大の手を強く握り締めた。
End.
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