Addicted to you
決して激しくはない律動にも体がひくりと反応してしまう。何度達したかわからないくらい何度も求め合って息が上がる。
動きを止めて唇が重なり目を閉じた。舌を絡めて離れると、侯隆が髪を撫でたから目を開ける。目が合っても言葉を発しないまま私を見つめる瞳に、少しの不安が過ぎる。
『…二人で、言うてまおか』
ドクリと心臓が脈打った。
こんな日が来るかもしれないと予想はしていたけれど、いざ言われてみれば戸惑いでいっぱいになる。
...やっぱり怖い。
『...怖いねや?』
「...当たり前じゃない、」
私を責めているような言い方ではないけれど、私の中で夫にも侯隆にもどちらに対しても罪悪感があるから、胸が痛くて締め付けられるように苦しい。
『一言やん。セックスしましたって』
いつもの侯隆らしくない言葉に口を噤んだ。
...きっと、侯隆ははっきりしない私に苛立っていたんだと思う。それでも私を待ってくれていたのだろうと思ったら、思わず真っ直ぐな目から視線を逸らしてしまった。
『もう戻られへんねんで?』
優しく諭すような口調。私の答えを待つ侯隆は、今何を思っているんだろう。
「…そうだけど、」
自分の置かれた状況を変えたくない狡い私を、いっそ見放してしまえばいいのに。
急に再開された律動が一気に早さを増し、掻き抱くように強く抱き締めながら突き上げられて息が詰まる。まるで苛立ちをぶつけるようなその激しさに、耐えるように目を閉じた。耳に舌を這わされぞくりとして侯隆にしがみつけば、耳朶に歯を立てられてびくりと体が揺れた。
『...はよ捨ててや、俺のために』
すぐに耳元で囁かれた言葉に胸が高鳴る。私の耳元から顔を上げた侯隆は、目が合わないうちに私に唇を重ねた。言い訳なんてさせないように、言葉を紡げないように、呼吸すらも奪われる程深く口付けられる。
何度も何度も奥を抉られ、漏れる声も奪われながら抱かれて、やっと大きく息を吸い込むと、侯隆が口の端を上げて私を見つめた。
『...遊びはもうおしまいな』
一瞬見せたその切な気な表情に目を奪われた。思わず腕を伸ばして引き寄せた体を抱き締めて、迷う心を隠すように夢中で体を重ねた。
End.
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