euphoria


それなら僕も同罪だ


『なに手ぇ握っとんねん!』

私たち二人は口を開けたまま握られた手を見た。と同時に、その手はヤスによって解かれた。

すぐに私の横に来てしゃがみこんだヤスが私の手首を見た。そして今度はヤスに手を取られる。

『...なんやねん、これ...』
「え...どういうこと...」
『俺が呼んだ。#name1#ちゃん襲われとったでー言うて』
「襲われたって、そんな...」
『他に怪我は?してへんの?』
「...うん...大丈夫...」
『...もー...めっちゃ焦った...』

私の手を角度を変えて傷がないか確かめるヤスを、丸ちゃんは笑みを浮かべて眺めていた。

『ヤスめっちゃ早かったやん。20分思っとったんやけど、15分で来たな』
『............。』

ヤスは私の手を離し、楽しそうに笑う丸ちゃんを睨んで黙って部屋から出て行った。

『さ、俺は帰ろかな。連絡先、書いといたから何かあったらメッセージ送ってな。#name1#ちゃん、頑張るんやで』

連絡先が書かれた紙を置いて、丸ちゃんが手を振って襖を閉めたから、慌てて「ありがとうっ!」と大きな声で言った。

入れ違いでヤスが戻って来た。手にはおしぼりが握られていた。

『...手』

また隣に来たヤスに言われ、出した左手を取られると、ひんやりしたおしぼりが手首に巻かれた。

「...ありがと、」
『ん』

沈黙になって、何から話そうかと考えを巡らせていると、ヤスが先に口を開いた。

『丸が居ってほんま良かった』
「...ん」
『...怖かったやろ?何もされへんかった?』
「...ん、大丈夫...」
『...でも、あれやな...』

急に呟くような声のトーンに変わったヤスにちらりと目を向けると、俯いて私の手を見つめていた。

『...俺も、同じや』
「同じ?」
『...#name1#にしたこと。俺やって無理矢理キスしてもうたから、そいつと同じやんか』

目を合わせることなく、おしぼりの冷たい面を私に当て直しながらヤスが唇を噛む。

「...違うよ、」
『違わへんよ。...この前は、ほんまにごめん』
「...私こそ、ごめん」
『#name1#は何にも悪くないて』

苦笑いのヤスと、やっと一瞬だけ目が合ったかと思ったら、下を向いてもう一度しみじみと
『...ほんま、よかったぁ...』
と言った。
心配してくれたことが嬉しい。けれど、こんなことを言ってもらったのが恥ずかしくて、顔に熱が集まる。

顔を上げたヤスが再び私の顔を見て、拗ねたような顔で眉間に皺を寄せた。

『...もー...やめろや。そんな顔するから勘違いすんねん...』




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