そんなリアクション
「...勘違い?」
『今度こそ、ちゃんと言わせてな?』
「え?」
『好きや。もうずっと。中学ん時から』
突然の告白に頭が真っ白になる。けれど、頭より先に心がその言葉を理解したように、目の奥が熱くなる。
また顔が熱くなって、両手で頬を覆った。
『...それ。それやねん』
「...なに、」
『さっきも言うたやん。顔真っ赤にしてそんなリアクションされたら普通、勘違いしてまうの!』
「え、だって...」
『俺がお前のこと好きなん知ってて、いちいちそのリアクションしてくれて?やのにキス拒否られるて、さすがにヘコむわ...』
...知ってて?どういうこと。
だって私、
「...今まで一回も好きなんて言われてない...」
『はぁ?あん時、聞いとった言うてたやん!俺が告られた時!』
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『私、安田くんが好きなの。だから...』
『...ごめんな、好きな人がおんねん』
『...そうなんだ』
『今これからな、好きな子と待ち合わせしてんねん。...だから、ほんまにごめん。帰ってくれへん?...勘違いされたないねん』
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「...私...見たって言っただけだよ...?」
『...じゃあ、知らなかったん?』
「知らなかった...」
『えぇーー!もー!なんやねーん!』
大袈裟に項垂れて見せたヤスは、私をちらりと見て苦笑いを浮かべる。その顔があまりにも情けなくて、思わず少し笑った。
「...でも、私も勘違いしてた」
『何を?』
「ヤスが、彼女いるのかと思ってた...」
『なんで?俺そんなん言うてへんやん!」
「キスしてるとこ...見ちゃって...」
あからさまに驚いて目を丸くしたあと、目を泳がせたヤスは、チラリとだけ私に視線を寄越して俯いた。
『え、なんで...ちゃうやん...あれは、突然されただけで、何もないねん...ちゃんと、断ったし...や、でも誤解されて当然やわ...』
「...へこんだ、」
その言葉でヤスが顔を上げると、丸くなった目が私を見つめる。期待の色を含んだ瞳は、私だけを映していた。
「勘違いじゃないよ。私も、ヤスのこと、好きだもん」
少し緩んだ口元を見て、心の中に安堵が広がる。するとヤスの手が私の腕を掴む。
『ほんまに?』
「うん」
『あ、ごめん、手』
おしぼりを巻いた手を離したヤスの瞳が揺れた。泣きそうな顔をしたヤスの腕が回り、ゆっくりと抱き寄せられた。
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