幸せはおあずけ
「...待って、」
『っ、待たれへん、っ無理、』
「...っ、」
『何回でもイけばええねんっ、』
また達してしまいそうで章ちゃんの手を掴むけれど止まってはくれない。
ますます苦しそうに顔を歪ませた章ちゃんは、私の胸に自分の胸をくっつけ、首筋にキスを落としながら腰を揺らした。
『一緒に、イこ、』
唇を合わせ舌を絡ませながら奥を突き上げる。荒い呼吸が混ざり合う中唇を合わせ、視線を絡ませれば章ちゃんが口角を上げて私を見つめる。
『#name1#、っイくで、?』
章ちゃんが言うから大きく頷くと、強く抱き締められたまま激しく腰をぶつけられ、身体が波打つように揺れ果てた。
すぐに章ちゃんは私の中から出て行って、私のお腹の上に欲を吐き出した。
私の体を拭ってくれた章ちゃんは、優しく触れるだけのキスを落とした。目を開けると、私の隣りに転がった章ちゃんが顔だけを私に向けて微笑む。その顔がすごく優しくて、あまりにも綺麗だったから、章ちゃんの腰に腕を回し抱きついた。
『...あかん、また勃ってまうて』
笑った章ちゃんが頭を撫でて額にキスを落とす。
『...愛してんで、#name1#』
呟くように言った章ちゃんに小さく頷けば、片腕で私を抱き寄せた。
目が覚めるとカーテンの外は明るく、隣りには歳の割に幼く見える寝顔。子供の頃はよく一緒に寝ていたけれど、大人になってからは当たり前になかったから少しドキドキした。
ベッドを出て、シャワーを浴びながら思ったのは、すばるの事。
章ちゃんと一つになって、嬉しいのは事実だけれど、罪悪感を拭い去れないのも事実で。早く、話をしなければ。
寝室に戻ると、まだ夢の中にいる章ちゃんを揺り起こす。
「章ちゃん、起きて。今日仕事は?」
『ん、』
身体を起こし目を擦った章ちゃんは
『おはよ...』
と言って一つ欠伸をした。
『んーっと、今日は昼からやねん』
「そっか。ご飯、食べてく?」
『...........。』
「...章ちゃん、?」
『...あー...ええわ。うん、』
「...そっか、」
『...なんか、そういう幸せなん、あかん気がしてもうた。セックスして言う事やないけど...まず、ちゃんとせなあかんよな』
「...うん、」
章ちゃんがシャワーに入っている間に、せめてと思ってお茶を入れた。シャワーから出てきた章ちゃんは、
『めっちゃええ匂い!』
と言って嬉しそうに笑った。
テーブルの前に来て座った章ちゃんは、一口口を付け、紅茶を見つめていた。表情から、複雑な思いが伝わってきた。
きっと私たちは今、同じ事を考えている。すばるのこと、これからのこと。
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