優しさのプレゼント
『おう』
『おはよぉ、渋やん』
『あ、ヤス。今日の予定は?』
『この後ラジオで、その後友達と会うねん。...何?』
『今日な、お前んちにめっちゃ大事な荷物送ってん。どうしても今日がええねん。あかん?』
『なになに?急にどうしたん?』
『でかい荷物やから家に居ってもらわんと困んねん。頼む!今日の友達との約束、断って!』
『今ならまだ断れるけど...、何なん?めっちゃこわい!』
『ほんま?絶対損させへんから!』
『えー、なんやろ。損せえへんの?』
『めっっっっっちゃ!喜ぶ思うわ』
『でかい言うた?家電とかちゃうよな?冷蔵庫とか洗濯機とかやったら困んねんけど...』
『まあ、洗濯はするかもしれんけど、』
『...は?まじで?』
『まあ、あれや。見てからのお楽しみやな』
『なんやろ...ありがとぉ』
『届いてから聞くわ』
ヤスが首を傾げながら俺から離れて行く。その姿を見ながら、ホッと安堵の溜息をついた。
ソファーに荷物を置いて腰掛けながらヤスを目で追う。
『もしもしー、あのな、今日はよ帰らなあかん用事が出来てな、...』
すぐに携帯を取り出して、約束をしていたであろう友達に電話を掛け始めたヤスを見て、思わず笑った。
ほんまに素直な奴。
俺の視線に気付いたヤスが俺に微笑むから、ありがとうの意味で会釈した。
胸の痛みは、とっくに棄てた。
だから少しお節介をしただけ。
いい人になんかなる気はさらさらない。
ただ、幸せになればいいと思った。
俺が傷つけたのだから。それだけ。
- 34 -
*前次#
ページ: