……………

ソファーに並べられるように座っているのは「だらしないリッキー」と「爽やかなナイジェル」

このふたりを見比べて、ジムはようやく確信した。


「やっぱりな。お前ら入れ替わってる」

彼の言う通り、ナイジェルとリッキーは外見や声質はそのままに精神だけが綺麗に入れ替わっていた。

隣に立っていたサラもようやく納得した様子で深く頷く。

「そうよね。おかしいと思ったもの。さっきのナイジェル、仕草が変に可愛らしかったから気持ち悪くて面白かった」

リッキー「そんな事考えていたんですか!涙」

「ほら、やっぱり気持ち悪い(笑)」


まあまあとナイジェルの姿をしたリッキーを落ち着かせ、ジムが本題に入る。


「でだ!どうしてこんな事になった?
まぁこういう事例って漫画みたいに『頭を打ち合っちゃって気がついたら…』とかそんなものだろ?」

「ベタだな。でも正解だ」

「当ってんのか!?」

「なんで俺がこんな目に!寿命縮まったじゃないですか」

「なんだよ?俺がすぐ死ぬって言いてーのか!?」

「タバコばっかり吸ってる人は早死にするって決まってるんです!」

「んだと!?テメッ!中庭に来い!」

「上等ですよ!」

ジム「なんでお前ら、もうそのまま体を受け入れようとしてんだ!ちょっとは元に戻る方法を考えろ!」


地味な彼が仲裁に入った所で、喧嘩っ早いふたりがそう簡単に仲直りをするはずもない。

「ああもう!やめろって馬鹿!」

「ジム、退きなさい」

「え?」


彼の体を押し退け、無表情のサラが前に出た。

一体何をするかと思いきや…


「んだと、テメェ!」

「前々から思ってましたが、貴方は…」


ゴチンッ!!!!


ふたりの後頭部を握って、お互いの頭を打ち合わせる。

しかも凄い力で…

案の定ふたりのケンカは「気絶」というゴールで幕を閉じた。


「なに殺っちゃってんの!」

「考えたって仕方ないわよ。大体こんな現象は同じ事を何回か繰り返したら、いつかは元に戻るものでしょ」

「今の行為を戻るまで繰り返すつもりなのか!?頭蓋骨を粉砕する鬼だな、お前!」


その時、重傷でもう目覚めないのではないかと思われたリッキーの姿をした男が、頭を抑えながら奇跡的に起き上がった。


「イテテ…いきなり何すんだよ」

そんな彼にサラが話しかける。


「貴方、誰?」

「誰って…おいおい笑わせんなよ。お前の将来の旦那様だろ…」

「はぁ。やっぱダメか」


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