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「ちょっとそこの君!」
「…ッ?」
社長に呼び止められ、その緑の宇宙人は大きな空き地でバイクを止めた。
「誰だい?僕の美しい走りに目を奪われた哀れな子羊は…」
ヘルメットを外したその謎の男。
ちゃんと目が2つ、鼻が1つ、口が1つ、耳が2つ付いている。
「あ…良かった、人間みたいですね」
「良かったな。言葉もちゃんと通じる」
顔を見てコソコソ話をするジムとナイジェル。
しかし彼の見た目の第一印象は、まずその真っ白な髪。
大きな赤い瞳は少女漫画のように輝いており、一々放つ言葉も気持ち悪くて、もちろん怪しい人物には変わりない。
両手を振りながら走って近づく社長と、恐る恐る身を屈めて歩いて近づくジムとナイジェル。
「やぁ!君は一体ここで何をしているんですか?」
「見ればわかるだろう。風になってたんだ」
「か…ぜ?」
その答えに訊いた社長も口を開けたままの表情。
続いてジムが訊いてみる。
「お名前は?」
「僕のファンかい?仕方ないなぁ…特別に教えてあげるよ☆
『ボビー・マローン』18歳。今をときめくイケメンクールボーイさ。
おっと、サインはなしだよ!他のベイベー達が可愛い頬を膨らませて嫉妬してしまうだろう、ベイベー」
夜で空は真っ暗なのに、そのボビーと名乗る男性の背景にだけ美しい薔薇と星が舞う。
「そのバイクの腕は?誰に教わった?」
「初対面なのに随分な訊き方だねぇ。まぁいいよ。僕のバイクテクニックは誰の教えでもない!独自で編み出したのだよ!」
次に口を開いたナイジェルは眉間にシワを寄せる。
あまり関わりたくないと感じているのか。
社長が変な気を起こす前にとっとと帰…
「素晴らしい!実に素晴らしいよ!君!!」
空き地中に響いた声。
嫌な予感が当たったが…まさかこれほど早く反応するとは思っていなかった。
目をこれでもかと輝かせた社長を、ふたりは思わず「えっ?」と言いそうな顔で見る。
「社ちょっ…」
「だって凄いと思わないですか!?独自の技術でここまで上達出来るなんて!ボビーさん、君には才能があります!是非ウチの事務所に来てくださいませんか!?」
やっぱり…
この人絶対おかしい!!
「ちょっ…本気ですか!?社長!」
「そうっすよ!まだ会ったばっかなのに!」
冗談じゃないと慌ててふたりが止めにかかるが、こうなってしまうとこの男は誰にも止められない。
「だって…ビビッと来たんです!間違いありません!僕のハートにビビッと来たんです!」
「ハートにビビッとって…古!」
「とにかく、もうちょっとよく考えてください!彼だってそんな事いきなり言われたって…」
「いいよ」
「…ッ?」
ボビーからの返事は、考える時間はあったのかと疑う程あっさりとしたものだった。
天然ボケな社長を説得しようとしていた男達は、またもや驚いた表情に。
今日一日だけで、どれだけこのまぬけ面を晒してしまっただろうか。
「い、いいんですか?」
「まぁ…僕も暴走族という名の放浪人だったし。それに見た所いるのは冴えない男と怠けたオッサン…つまり僕が一番モテるという事じゃないか!」
(なんだコイツ…)
ナイジェルとジムがドン引きしている中、後ろで社長だけが両手で万歳しながら喜んで…
こうしてメンバー内の一番モテる男・ボビーが仲間に加わったのであった。
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ビッキー「いや、モテてないし…」
ボビー「ビッキーちゃん!照れなくていいんだよ!」
ジム「ボビーが仲間に加わってからは、かなり場の雰囲気も変わったよなぁ」
ナイジェル「そうだな。何故か知らんが社長はボビーにベタ惚れだし。やっぱあの人ちょっと普通じゃねーよな」
リッキー「その社長との面接で寝てた貴方が言える事ですか?」
ジム「そして、それからは結構時間開いたよな。3年間3人で頑張って、だんだんと事務所も軌道に乗り始めて、寮も昔の古い建物からこっちの新しい方に移り…
丁度その頃だったな。次のサラが来たの」
ボビー「彼女が来た時はビックリしたよね!」
ビッキー「え?何があったの?」
ジム「実はな…」
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