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……………
本日は2月1日。
毎月一日はモトクロス協会定例ミーティングの日と決まっており、全国のバイク団体が一同に集まって話し合いを行う大事な日。
ウィンディランメンバーももちろん例外ではなく、全員は朝早くから出発して隣町の総合ビルに集合しなければならない。
会議の内容は「先月の反省」や「今後の対策について」「連絡事項の報告」等かったるい話題がほとんどだが、これにはあの怖い理事長も参加している。
出ないと1時間〜2時間のお説教をされてしまうのでサボる訳にもいかず、素直に毎回出席しているのだ。
そして今日もまただるい話し合いの為に、サラとボビーはふたりで荷物をまとめていた。
「ボビー!サラー!行きますよー!急いでくださーい!」
玄関からリッキーの声が響き、ふたりのバッグを漁るスピードが早くなる。
「もう少し待ちたまえ、諸君!冒険に出る前にはきちんとした事前準備が必要なのだ!
えっと…全身タイツだろ?全身タイツ…全身タイツに……あと…全身タイツ」
「アンタ、定例ミーティングになんでそんなに全身タイツが必要なの?何枚持って行ったところでスーパーマンにはなれないのよ」
「なぬ!僕だって見たぞ!サラちゃんがこっそり瓶焼酎を入れる瞬間を!」
「う…うるさい、勝手に見てんじゃないわよ!」
仲良くケンカをしながら、急かされるリッキーの声に荷物をまとめるふたり。
「よし私はOK。ボビーは?出来た?」
「バッチリさ☆」
「うん。じゃ、行…」
ピロロロロ!!
丁度その瞬間、タイミングを計ったようにサラの携帯の着信音が鳴り始めた。
「誰よ、こんな時に」
開くとそこに表示されていたのは…
【美空 七音】
「……ッ…」
最悪…
彼女の頭に嫌な予感がよぎった。
「サラちゃん?携帯、出ないのかい?」
「っ…あぁ…そうね」
恐る恐る通話ボタンを押し、携帯を耳に当てる。
「…もしもし」
「僕」
相変わらず相手に対してきちんと名乗りもしない。
でも年上に対してのその生意気な口調は明らかに彼の声だった。
「登録されてんだからわかるわよ。何か用?」
「今から来て欲しいんだけど。この間来てた人達全員で」
「え。今から私達出かけないといけない用事があるの。だから無…」
「緊急なんだ。待ってるから」
「えっ…ちょっと!?」
用件を言い終わると、返事も聞かずにプツンと電話は冷たく切れてしまった。
「ッ…たく…なんなのよ」
どこまでも勝手な男に、サラは頭を掻きながら険しい表情で携帯を閉じた。
「どうしたんだい?サラちゃん」
話しかけてきたボビーの顔を見た彼女は、諦めて大きなため息をつく。
「ちょっと…話があるんだけど」
「………??」
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