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……………

「引き続き盛り上がっていくぞー!」


「「キャァァァァ!!!!」」


再開されたライブは相変わらず絶好調。

休憩前より熱が上がった気がする。


「イキイキしてますね。七音さん」

舞台裏。

リッキーの言葉に隣にいたサラは首を向けた。


「本当にご両親の事をとても大切に思ってるんですね」

「うん。私が知ってる時期まで…あの家庭は崩壊寸前だったから。七音も強がって家を出たけど、なんとなく無理してるのは見ててわかってた。

今思えば七音が私達をマネージャーに…しかもこのライブ時期に引き入れたのも、
事情を知ってる私や私の仲間達に助けを求めたかったのからなのかもしれない」

「…そうですね」

「お父さんはお父さんで病気になってからも、ずっと七音の事を責めないで

ただただ『顔が見たい』って…

やっぱり親子って切っても切れない関係なのね」


自分の父親を考えているのか、切ない表情でステージを見つめるサラ。

彼女も昔は父親との関係で、無理に家を出たと言っていた。

自分の姿と七音さんの姿が重なるのかな。

ふたりの姿を見ていると、決して裕福な家庭に生まれたからといって必ず幸せになれるわけじゃないと知った。

どこの家庭にだって複雑な事情はある。

それを乗り越えてこそ、本当の幸せは見つかるものなんじゃないのかな。

もう少しで…手が届きそうなんだ。

リッキーはサラと同じように視線をステージに向けた。


「我が子の事が可愛くない親なんていないんですよ。七音さんがなんだか逆に羨ましくなってしまいますね」

「何よ。リッキーの親御さんだって、きっと貴方の事が一番可愛いと思ってるに決まってるでしょ」

「そうですね。さ、行きましょう!何がなんでもこのライブ成功させないといけないですから!」


サラの言葉にニコッと微笑みかけ、彼女の手を引いてふたりはその場を離れた。


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