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「何よ、映画観てただけじゃない、なんでそんな怒られなきゃいけないの?」
騒ぎの原因を作ったサラはコーヒーをテーブルに置き、不機嫌そうに腕を組んだ。
「『観てただけじゃない』じゃねんだよ!コッチの寿命がどんだけ縮んだと思ってんだ!」
クールなサラとは対照的に興奮してテーブルを叩きまくるジム。
しかし「こんな時間に来るアンタが悪い」と彼の言葉はあっさり一蹴される。
「大体なんでこんな怖いモンを、あんな怖い時間帯に、そんな怖い空間で観てんだよ!意味わかんね」
「血にまみれた吸血鬼」とおどろおどろしい字で書いてあるDVDを彼女の前に突き出して畳みかける。
彼女の隣に座っているリッキーは、その表紙を見ただけで半泣き状態だ。
「決まってるでしょ」
サラは楽しそうに…そして不気味に笑った。
「呼べないじゃない?」
うわぁぁぁっ!!
ナイジェル以外の全員がドン引きして、座っていたソファーから一斉に離れる。
ジム「お前…ホラー映画を降霊儀式のアイテムとして活用すんな!」
サラ「あ、ボビー。アンタの後ろ…」
ボビー「フギャァァアッ!ビッキーちゃん!君にあげるっ!」
ビッキー「キャァ!怖い怖い!やめて!コッチ来んなっつってんだろうがクソがァッ!!!怒」
足蹴を受けて宙を舞うボビーを見て「冗談よ」とクスクス笑うサラ。
彼女は何食わぬ表情でゆっくりと立ち上がった。
「とりあえず…私がどんな時間にどんな映画を観てても貴方達には関係ないでしょ?返して。今日それ、ゲオに返しに行かないといけないんだから」
ぽかんとしているジムから余裕の表情でDVDを取り上げる彼女は、何事もなかったかのように「じゃあね」と手を振ってメインルームを出て行った。
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バンッ!
「クッソ、腹立つーッ!!」
ジムはテーブルを両手で叩き、怒りを露わにする。
「なんだよアイツ!結局、勝手にビビった俺が悪いみたいじゃねーか!な、おかしいよな、ビッキー」
「うん!おかしいよ!勝手にリッキーを泣かせておいて謝りもしないなんて!」
そっちかよ、とブツブツ文句を言うジム。
そしてボビーも、テーブルをひっくり返しながら叫んだ。
「この僕を全身鳥肌タイツにするとは良い度胸だ!このケンカ買ってやろうではないか!!」
リッキー「はいっ!俺も戦います!」
「よっしゃ、燃えてきた!反撃開始だ!どんな手を使ってでもサラを怖がらせて、ピーピー泣かしてやるぞ!野郎共!」
調子に乗ったジムが隣にいたナイジェルと肩を組みデカい声で叫ぶからか、絡まれた本人は眉間にシワを寄せて耳を塞ぐ。
「やってやるぞー!」
「泣いてる所、写真撮ってやろうぜ!」
「リッキーの為に私も頑張る!」
「…で?」
この部屋に入って、ようやくナイジェルが第一声を発した。
「何があったの?」
ジム「そーだよな!お前は俺が夜中に悲鳴を上げて、起きた試しがないもんな☆怒」
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