……………

早速皆で初めての共同作業(と書いてせんたくと読む)がスタート。

あんまりコインランドリーって来た経験がないが、ただの洗濯には違いない。

普段と同じ段取りでやっていこう。

それぞれが洗う荷物を下ろし、機械の前に立つ。


「えっとまずは…とりあえず服を放り込むか」

ジムも持っていた荷物を床に置き、袋を広げた。

中から出できたのは、主にスポーツ衣類。
それから昨日着ていたTシャツ、ズボン、下着類。
タオル、靴下、あとベッドのシーツと枕カバー。

順調に洗濯物を機械の中へ投入していく。

うん、こんなもんでいいかな。他は出来てるか?

お節介な彼は、周りを見渡した。

皆やっぱり周りと同じ感じでやろうとチラチラ見ながらやってるな。


「ボビー、出来てるか?」

「あぁ、当然さ!」

隣で作業をしていたボビーに話しかけてみた。

俺達のチームでは洗濯は当番制と決まっており、全員が月イチで経験していて既に慣れっこだ。

さすがのボビーでも何とかやれているみたいだな。

入れている衣類は、全部同じ緑色の全身タイツだけど…


「8…9!OK!これで全部だ!」


うん。一番心配だったボビーも問題なさそうだn…



「あとは…仕上げに僕が入って…」

「ストップストップストップ。なんで仕上げにお前が機械に入る?」


やっぱり訂正。問題おおありだ。


「なんでって。今着ている服も一緒に洗った方が楽じゃないか!それに僕自身も洗ってもらえて一石二鳥★」

「『一石二鳥★』じゃねぇよ!お前死んで、洗濯機壊れるだけだろ!」

「そうかい?僕は死ななかったけどねぇ」

「死ななかったけどねぇって…あ!まさか、ウチの洗濯機壊したのお前か!?絶対お前だろ!」


男ふたりが胸ぐらを掴み合うケンカを始める。

しかしその光景も、もはや「いつもの光景」。

他メンバーは全く動じる事なく、着々と作業に取りかかっていた。


慣れた手つきで洗剤を入れ、蓋を閉めるナイジェル。

「ったく…今月厳しいってのによ」

いかにも中年が使っているような折りたたみの黒の小財布を取り出し、ジャラジャラと小銭を漁る。


「チッ、500円もすんのか。高ぇな。水グルグル回すだけだろ。なんで500円も取るんだよ。誰かオジサンの財布を助けてくれるような心優しい子はいないのかなぁ…」

わざとらしい独り言を言いながら周りを見渡す。

何とも大人気ない…。ダメな大人の典型だ。

目に留まったのは、左側でナイジェルの独り言にも気づかず黙々と作業をしている雨宮だ。


「あ〜ま〜み〜や〜く〜…」

そっと彼の肩を叩こうとした途端、目の前の状況に手を止めた。




「お前…洗剤入れすぎじゃね?」

「え?そうですか?」


衣類が見えなくなる程、白い洗剤がまかれている雨宮の洗濯機。

明らかに入れすぎだ。


「そんなに入れたら漫画みてーに部屋が泡で埋め尽くされるだろ。ちょっと貸せ」

雨宮から計量スプーンを取り上げ、粉をパックに戻していくナイジェル。


「すみません。無料だからたくさん入れた方が得なのかと思いまして」

「主婦か、お前は。やった事ないのか?」

「恥ずかしながら。実家では親がしてくれていましたし、こちらではマネージャーがしてくれていたので」


苦笑いしながら2本目のスプーンで洗剤を戻す。

まぁ…男だから出来ない奴も沢山いるわな。



「え、じゃぁ待て。お前らのメンバーは全員洗濯を自分でした事はないのか?」

「恐らく。マネージャーからも『お前達は全員洗濯はするな』と言われていたので」


洗濯はするな?

何故そこまで?と固まるナイジェルに不安がよぎった瞬間、横からサラの声が聞こえた。



「雪之原君!?なんでウサギなんて連れて来てるの!?」

「えぇ…だって綺麗に洗ってあげようかなって思ってぇ」

「生きてるウサギじゃない!ダメダメ、絶対!その子は帰ってから手で洗いなさい!」


と次にリッキーの声が…

「大変です!ジムが怒ってボビーを起動中の洗濯機の中に入れてしまいました!物凄い音がします!」


次はビッキーの声。

「七音君、何入れてんの!?傘にサングラスに…ゴム手袋に電気ストーブ!?全部洗濯不可能だよ、何しに来たの!」


家にあった物を適当に持ってきたとしか思えない美空の私物。

立て続けに日晴の叫び声が聞こえる。


「あぁー!お気に入りの革ジャンが縮んじまったっすー!」


そして締めに再びリッキーの声が。

「ボビーが…!洗濯機から出てきたボビーが縮んでしまっています!」


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