6 〜第2章〜ボビー星
第2章
〜ボビー星〜
「皇子、おかえりなさい!」
「あぁ、ただいま」
「皇子、今日もお美しい!」
「あぁ、ありがとう」
ボビーの父親と母親が住むお家へ向かう途中の商店街。
そこを歩いているだけで何度もボビーは星の人から声をかけられ、握手やサインまで求められている。
どういう事だ。
この世界、外の風景はほぼ地球と同じなのに。
俺達の常識が常識ではない。
この星に住んでいる人…おじいちゃんもおばあちゃんも、お母さんもお兄ちゃんも子供もひ孫もいとこも、近所のおばちゃんも学校の先生もホームレスも野良犬もカラスも虫も…
全員ボビーの顔をして、緑色の全身タイツを身に付けている。
前後左右、上下斜め、360度どこを見渡しても「ボビー」しかいない。
なんだかめまいがする。
この症状に名前を付けるとしたら…えっと…
『緑中毒』だ。
「ボビー。そのお家はあとどれ位で着きそうですか?」
「あぁ、もう見えているよ」
「見えてる?」
ボビーの答えにリッキーは周りを見渡してみた。
周りはお店ばかりで特にそれらしき建物は見当たらな…
あ…
一点を見て彼は固まってしまった。
崖の上にそそり立つ…もはや「おうち」とは呼べないレベルの建物。
ファンタジー映画でしか見た事のないようなファンシーなお城が目に映っていた。
それは明らかに庶民の家ではなく、まさしく皇子の本家だ。
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