……………

「ボビー皇子のおなーりー!」


パラパッパー…♪

鳴り響くトランペット演奏。

大きな両開きの扉が開かれ、後光眩しいボビー皇子が姿を現した。

真っ赤な絨毯が敷かれ、軍服を身にまとった兵隊達(もちろん全員ボビーの顔)が姿勢正しく綺麗にお辞儀をした。

5人はボビーの後ろで呆気にとられている。


「おぉ…ボビー!よく無事で帰ってきた!」

「お父上!」

立派な冠とマントを羽織った髭の全身タイツおじさんが玉座から立ち上がり、息子であるボビーと抱き合った。


「ボビー、おかえり。心配してたのよ」

「母上!地球での暮らしはとても僕にとって刺激的な経験となりました」


そのおじさんの隣に立っているのは、長い白髪をお団子にまとめた、これまた全身タイツのおばさん。

皇子は母親とも軽く抱き合った後、6人の方向へ振り返って紹介を始めた。

「紹介しよう!

僕の父親、第12代 ボビー星王『ボロン・T(超タイツ)・マサラーニャ・キモス』

僕の母親、第12代 ボビー星王女『ボリー・T(とってもタイツ)・マサラーニャ・キモス』

父上達にも紹介するよ。僕が地球で見つけたプリティーフィアンセ、ビッキーちゃんだ★

あとは……うん、あとはいいや」

「「いいやって何だ!?」」


ある程度紹介が終わった後、一同は料理が用意されていると言う奥の客室広間へと案内された。

下を見れば赤い絨毯、上を見ればシャンデリア、右を見れば鋼鉄の鎧の騎士、左を見ればボビーの大きく描かれた油絵。

とにかくゴージャスなお城だ。


ジム「凄いな。こんな世界、映画でしか見た事ないぞ」

サラ「ビッキー、ボビーと結婚しちゃいなさいよ。そうすればこの家丸々貴方の物じゃない」

ビッキー「お金ではカバーしきれない顔っていうのも、この世に存在するのよ!」



「着いた。ここだよ、入りたまえ」

ボビーの父親から大きな扉の前まで案内され、それを開くと…

目の前にはローストチキンやサンドイッチ、キャビアやフォアグラまで、たくさんの美味しそうな高級料理が長いテーブルにズラッと並んでいた。

奥にいるのは楽器を持った愉快な楽団。

そして極めつけは…


「いらっしゃいませぇ」

ちっちゃいボビー軍団が横一列に並んでお辞儀をする。

やっぱり皆同じ顔だ。

「紹介するよ、僕の妹や弟達だ!左からボビタロウ、ボビエ、ボビコ、ボビル、ボビタ、ボビミ、ボビーナ、ボビスタン、ボビゲリータ、ボビッチ、ボビンヌ…」


紹介されて何度目を擦って見返しても…全員やっぱり同じ顔。

皆揃ってボビーと同じ血が流れている兄弟だ。

恐るべし、ボビー一族の遺伝子。


「ボビノスケ、ボビノスケタロウ、ボビえもん…」

「あぁ…わかったもういいよ」

「え?だってまだあと65人残ってるよ」

「それはまた今度教えてもらうから」

延々と続くボビーの兄弟紹介に、ジムはたまらずストップコールをかけた。


「それにしても凄い人数だな」

ナイジェルが前に出てきて、改めて並んでいるチビッコボビ達の顔を屈んで見てみる。


「えっと…お前がボビーナで…お前がボビスティーナ?」

「ナイジェル君。名前を覚えても無駄だよ」

「は?俺は名前を覚えられねぇ程馬鹿じゃねーぞ」

「そういう意味じゃなくて、君の目の前にいるボビーナは明日はボビーナじゃなくなるって事」

「どういう事………あ…」


顎を覆うように手をかざしていたサラが何か思い出したようだ。

あれはリッキーとナイジェルの精神が入れ替わってしまった事件の時。

ボビーが奇跡と言ってもいい、その解決策を知っていたのだ。

その時の理由が確か…


*****

「ケンカも絶えず、精神が入れ替わるなんて日常茶飯事だったからね!1日5回は入れ替わってたよ」

*****


「その通り!さすがよく覚えてたね、サラちゃん。僕達兄弟は人数が多い分、ケンカが本当に絶えない。だからほぼ毎日、頭をぶつけ合って中身が入れ替わってしまうんだ」

「あの話本当だったのか?現実的にありえないだろ」











その後、5人はボビー一族に歓迎され王邸の楽しい宴と美味しい料理を堪能した。

リッキーが再びボビエに襲われ、家族にビッキーを嫁として紹介するボビーに愛の鉄拳が飛んでくる。

国王も王女も笑顔が絶えなくて、とても楽しい時間を過ごした。


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