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……………

脱出直前、大変な事態が起こった。

ボビーが逃げてくる途中に水の種族の王と正面衝突し、彼と中身が入れ替わってしまったのだ。

頭を引っ張っても、ほっぺたをぶっ叩いても、グーで顔面をぶん殴っても…ボビーの体は元に戻らない。


「もうコイツでいーじゃん。同じ土の妖怪だろ?」

「土の妖怪じゃない!風の妖精だ!」

やる気の失せたナイジェルがそう言うが、さすがにこのままというわけにもいかない。


「ナイジェル。いくらコイツの中身がボビーだからといって、コレをそのまま持って帰るわけにはいかないだろ。
それにここでコイツを連れて帰ったら、この体を追って水の種族の奴らは確実に地球まで追いかけてくるぞ」

「あぁ…そうか」

「当たり前だ!これじゃせっかくイケメン枠で売ってる僕が、イケメンじゃなくなるじゃないか!」

リッキー「そうですか?あんまり普段と変わらない気がしますが」



ドカァ――――――ンッ!!


「キャァッ!」


あーだこーだ言っている間に、水の種族はこのエリアまで攻撃の手を伸ばしてきた。

マズイ…!

このままではジェット機が破壊されて、本当に地球に戻れなくなってしまう!



「このままじゃ、ボビー星はおしまいよ!」

「っ…母上!」


彼らの背後に立っていたのは、ボビーの母親「ボリー」だ。

さっきまで城の中にいた彼女が突然(しかも機内に)現れた事によって、息子以外の5人は驚いて腰を抜かした。


「おばさっ…なんでここに!?」

「ボビー。今こそが『祈りの時』よ!」

「……っ!」

ボビーは大きな目を更に大きく見開いた。


「祈りの時って…何?」

「昔から僕達の種族には言い伝えがあるんだ。


『星が欠け絶望が空を覆う夜、女は祈る。

月に願いをかけ、星に祈りを捧げるば

光を放ち翼を広げた救世主現る』

って」


ナイジェル「なんだそれ。このヘンテコな星にそんなまともな伝説があるのか?」

「ヘンテコとは失礼な!そうか。今が『星が欠け絶望が空を覆う夜』か!だとすると…」


皇子(水の王の姿)を見てコクリと頷いた王女は、ビッキーとサラを見た。

「今こそ私達女が、月と星に願いをかける時です!協力してくださいますよね!?」

「え、でも私達そんなっ…」

「…………。(ガン見)」



「「…わかりました。やります」」


ボビーそっくり王女のとんでもない目力に負け、ふたりは素直に頭を下げた。


「では、男性のアナタ方は救世主が現れるまで何としてでも時間を稼いでください!では、行きますよ!」

「はっ…はい!」


半ば強引に事を運ばせ、ビッキーとサラの腕を掴んで走り去る。


「ハァッ!?ちょっと!おばさん、何言ってるんですか!?」

ジムが叫んでも声は既に届いていない。

「ちょっとどうするんですか!?こんな場所に放置されて!」

「時間稼ぎったって、この人数じゃ持って30秒だぞ」

リッキーもナイジェルも当然の事ながら時間を稼ぐ良い案なんてあるはずがない。


「皆何を諦めモードになっているのかい!?僕達が力を合わせなければボビー星は滅亡してしまうのだぞ!」

「馬鹿言え、こんな大規模な戦争だぞ!どうやって止めろって………あ…」


ジムがボビーを見て固まった。

いや、正確には「水の王の姿をしたボビー」だ。




「良い事思いついた」


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