「ヴッ…気持ち悪い…」


深夜2時。真っ暗の廊下をひとりの女性が歩いていた。

酔っ払ってフラフラ状態のサラだ。

騒がしかった飲み会の後という事もあってか、廊下には空っぽの缶ビールやらネタで使ったネクタイ、終いには誰かの携帯電話が落ちている。

一晩でこんな状態になるとは、大人になるという事は本当に恐ろしい事だ。


彼女は気分が悪いのか、口を抑えて壁を伝いながらトイレへ向かっている。

「あー…もう無理です…ごめんなさい」

誰も聞いていないのに謝罪の言葉が口から出る。

あの可愛かった子どもの頃の私が今の姿を見たら、確実に絶句するだろう。


よし。トイレまであと少し…



カサカサッ!


そこで突然後ろから小さな物音が聞こえた。

「ん?」


しかし、振り返っても何もいない。

おかしいな。確かに何か今動く音が…

あ。今はそれどころじゃないんだった。

気のせいだと信じ、前を向いて再び歩き始めるが…


カサカサッ!


やはり何か音がする。

「ん?」

でも振り返っても、後ろには何もいない。

一体何だろう。

さすがに少々気味が悪くなり、辺りを慎重に見回してみる。



ネズミ?イモリ、ヤモリ…ゴキブリ…

ゴキ…

ゴキィィイッ!!!!!?


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