1
「ヴッ…気持ち悪い…」
深夜2時。真っ暗の廊下をひとりの女性が歩いていた。
酔っ払ってフラフラ状態のサラだ。
騒がしかった飲み会の後という事もあってか、廊下には空っぽの缶ビールやらネタで使ったネクタイ、終いには誰かの携帯電話が落ちている。
一晩でこんな状態になるとは、大人になるという事は本当に恐ろしい事だ。
彼女は気分が悪いのか、口を抑えて壁を伝いながらトイレへ向かっている。
「あー…もう無理です…ごめんなさい」
誰も聞いていないのに謝罪の言葉が口から出る。
あの可愛かった子どもの頃の私が今の姿を見たら、確実に絶句するだろう。
よし。トイレまであと少し…
カサカサッ!
そこで突然後ろから小さな物音が聞こえた。
「ん?」
しかし、振り返っても何もいない。
おかしいな。確かに何か今動く音が…
あ。今はそれどころじゃないんだった。
気のせいだと信じ、前を向いて再び歩き始めるが…
カサカサッ!
やはり何か音がする。
「ん?」
でも振り返っても、後ろには何もいない。
一体何だろう。
さすがに少々気味が悪くなり、辺りを慎重に見回してみる。
ネズミ?イモリ、ヤモリ…ゴキブリ…
ゴキ…
ゴキィィイッ!!!!!?
- 265 -
*PREV NEXT#
ページ: