……………

時計の針は夜の10時をさしていた。

ナイジェルはシャワーを浴びた後、髪も乾いていないまま自室のソファーにふんぞり返り、テレビのリモコンを手に取る。

「チッ。面白そうなの何もやってねーな…」

面倒臭そうにチャンネルを変え、一番マシだと思ったバラエティー番組でリモコンを床に落とした。

その後は2時間程その体勢のまま。

これが彼の日常。

ドライヤーで髪を乾かす事もなく、はたまた本を読んだり携帯を触る事もない。

ずっとこのまま。

テレビをボーッと観ていると、気づいた時には髪が乾いてしまっているのだ。

ある一定の時間が過ぎると、脱力感は眠気へと変わってくる。

時計を見るといつもの通り12時過ぎ。


「眠い…。そろそろ寝るか」

冷めてしまった体をソファーから起こしてようやくテレビを消す。

何度も大きなあくびを連発すると、顎が疲れて余計に眠くなってきた。

これもいつもの事。



コンコン!



「…ん?」

玄関からドアを叩く音が聞こえた。

これは…いつもの事ではない。


誰だ?こんな時間に。

頭を掻きながらゆっくりと玄関に向かって歩く。


ガシャン。


「誰だ?」

「ナイジェル!怖いから一緒にお風呂に入りましょう♪」


目の前には例の問題児が立っていた。

洗面器と洗顔を持って、頭にタオルを乗せた入浴スタイルのリッキーが笑顔でこちらを見ている。


「断る」


ガチャン!


「え!嫌だ!入りましょうよ!ねぇってば!」


閉められた扉を再び強引に開けるリッキー。


「んだよ、だってもう俺シャワー浴びたし…」

「だってひとりで入るの怖いんですもん。ほら、想像してください。頭を洗った後に顔を上げて鏡を見ると、自分の後ろに見知らぬ赤い服を着たおん…うわぁっ!泣」


ガチャン!

再び扉を閉め、大きく息を吐いてベッドへ向かう。


コンコン!


「………。(イラッ)」


ガチャン!(開)


「ナイジェル。怖いから、たまには一緒に風呂入らないか?」


次に現れたのは、廊下なのに腰にタオル一枚しか巻いていないマイシャンプーを握ったジムだ。


「テメーもか…」

「だってさぁ、あるでしょ?テレビで心霊映像を見た時は怖くないけど、ひとりになって思い出すとゾッとする時って!」

「ねぇな」


ガチャン!!(閉)


再び扉を閉め…


ガチャン!(開)


「久しぶりに男の友情を深めるつもりでさ!楽しそ…」


ガチャン!(閉)


無理やり開けられた扉を閉め、鍵をかけ…


コンコ…


「しつけーんだよ、テメェら!!」


ガチャン!!!(開)


裸ボビー「ナイジェル君。僕…怖いんだ!一緒にお風呂に入ろう!」

「なんでお前も怖いんだよ!?」


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